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カスタマーハラスメント「カスハラ」問題について。

今日は、客が従業員などに対し悪質なクレームなどをする
カスタマーハラスメント「カスハラ」問題について。
お話を伺うのは、株式会社「エス・ピー・ネットワーク」の
森田久雄さんです。

Q.東京都の小池知事が先月20日、
カスハラの防止に向けた条例を制定する方針を表明したことで話題ですが、
改めて「カスハラ」とはどんな行為を指すのか?定義を教えてください。

→厚生労働省の方からも出されていますが、
・優越的な関係を背景に行われるいわゆるハラスメント行為、
・業務上及び社会通念上(社会常識)相当の範囲を超えて行われる行為
→不当要求そのもの含む
・企業担当者の就業環境や業務妨害、担当者の尊厳を傷つける行為
今までは、警察を呼んでも逮捕されないというのが現状です。

Q.「正当な意見」と「悪質なクレーム」の違いについて、
具体的に教えていただけますか?
→見極めの部分が難しいとよくおっしゃいます。
我々で定義を出しているのは、
正当→受けた損害を元通りにして欲しいという申し出。
不当→受けた損害以上の対価を求める行為で、
悪質(カスハラ)になると前述の手段を用いて要求を通す行為。
(辛い思いをしたから賠償金を払え等)
例えば、1000円で買った商品の期限が切れていた。
→返金や交換は正当。
→いい気分はしないから1500円分の商品をと要求するのは、不当です。

Q.「エス・ピー・ネットワーク」では、店舗や企業などに常駐スタッフを派遣し、
実際にクレーム対応を行っているそうですが、現場の実情とは?
→私も現場で対応していたのですが、
たくさんカスハラが存在して、企業が対応できない時にお願いされるので、
「謝罪文を出せ」や「暴言」必ずといっていいほど出てきます。
ほんの些細なことでも納得いかない。今日は帰らないよという方も。
SNSや電話も例外ではなく、「SNSに載せるぞ」ということも。
昨今では、女性スタッフに対する性的嫌がらせ、ストーカー行為は増加しています。
店舗のXなどでの顔、名前出しで宣伝により被害を受けることもあります。

Q.カスハラ問題、数年前から問題になってはいましたが、
→改めて、なぜ今、条例制定の動きにまでなっているのでしょうか?
カスハラ行為の増加により、精神的障害を負ってしまう方が増加していること。
2023年9月には、労災認定「心理的負荷による精神障害の労災認定基準」が改正され、
カスハラが加わったことも要因の一つです。
対面になると言えないことが、
電話やメールだと顔が見えないから強く言われてしまうこともあります。

Q.不当な要求やカスハラを行う人のタイプや特徴などはあるのでしょうか?
→誰もがやってしまう可能性を秘めていまが、
その場で感情の抑制ができない方、相手に寄り添う姿勢を持たない方、
絶対的自信(過信)、被害意識の強い方など。
また40代~60代の男性に多い傾向にあり、
相手が年下で「なぜそんな下の人に言われなければいけないんだ」
という心理的な状況や、
日頃管理職で、指導するモードが入っている場合も考えています。

Q.一方、企業や店舗側の対応策として大切なことはどんなことでしょうか?
→正当な要求には、誠実且つ迅速に対応を行なうこと。
カスハラに対する知識を持ち、
対処法を事前にマニュアル化し教育をしておくことです。
個人対応ではなく、組織、会社で対応することを意識することが大事です。
一方で、カスハラと認識した場合、与えた損害には対処しなければなりませんが、
不当要求に対しては一切応じないという毅然とした対応が必須です。
酷いカスハラには複数で対応することです。

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