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コンビニのちょっとした工夫で、お客さん食生活が改善して売上げもUP?気になる研究結果

コンビニのちょっとした工夫で、
お客さん食生活が改善して
売上げもUP?気になる研究結果について

地域医療振興協会
ヘルスプロモーション研究センター
川畑輝子さんにご出演いただきました!

◆そもそもの研究のきっかけというのは?

わたしが勤務する
地域医療振興協会は、
地域医療を支援し、
それにより地域の振興を図ることを
目的に設立された法人です。

台東区立台東病院も、
協会が運営する病院の一つで、
病院のヘルスプロモーション活動の
一環として、
「病院内のコンビニをもっと魅力的に
健康的にして、職員の食生活支援や
患者さんや利用者さんの
健康管理に役立てられないか?」
という案が、病院の健康推進委員会で
挙がったのがきっかけです。

全職員に
アンケート調査を行ったところ、
バランスが良いとされる
「主食、主菜、副菜の
そろった食事をほぼ毎日取る人は14%」

「9割が野菜・果物不足」
「97%が塩分を取り過ぎ」
という実態が判明し、病院には
職員食堂が無く、
院内のコンビニで食事を
買われている職員さんも多いので、
病院のコンビニをヘルシーにしよう!
ということになりました)

改善策として、

・既存のサラダやお弁当、
パスタなどを組み合わせて、
主食・主菜・副菜がそろう
「ヘルシーセット」をつくって、
レジのそばで販売しました。

・飲料コーナーの
甘いジュース類を減らして、
無糖のお茶やお水を増やしました。
それまでは加糖と無糖が
7:3ぐらいでしたが、
無糖飲料を増やして4:6に逆転させ、
無糖飲料を手に取りやすく配置しました。
 
・カップ麺コーナーで、
食塩を多く含むカップ麺を減らして、
食塩含有量少ない商品割合を増やました。
そして食塩量の少ないカップ麺を
目につきやすい位置に配置しました。
さらに、商品の横に、
実際の食塩1gが入った袋を並べ、
含有量を示しました。
食塩量5gのカップ麺の横には、
袋が5つ並んでいます。

といった仕掛けをしました。

◆結果、どうなりましたか?
 
ヘルシーセットの販売数は
月を追うごとに上昇しました。

売上も、おにぎりや、
パン類だけを買う人が減って、
お弁当やパスタ、サラダなどを
組合わせて買う人が増えたので、
総売上が増加しました。

飲料も、ジュース類の売上は
減りましたが、その分、
お茶など無糖飲料の売上が、
前年比で120%増えましたので、
トータルとして増加しました。

実験期間中の平均客数は
ほぼ変化が無く、一人当たりの
購入単価が明らかに増加していました。
 
最初にご紹介した調査と
同じアンケートを2年後に取ったところ、
「主食、主菜、副菜の
そろう食事をほぼ毎日取る人は
16%→21%に増加し、
体格を表すBMIを見ると、
「やせ」の人が10%から4%に減り、
ちょうどよい「標準体重」の人が
68% →73%に増えていました。

仕組み=ナッジを活用すると、
ここまで変化できるものなんですね。

詳細、もう一度聴きたい! という方は
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