STORY
俳優/演出家の岸谷五朗さん
++ Introduction ++
岸谷五朗さんが長年の友、寺脇康文さんと共同で主宰する演劇ユニット
「地球ゴージャス」の結成25周年を記念した祝祭公演、
「星の大地に降る涙THE MUSICAL」が3月に始まります。
これまで、「地球ゴージャス」はその年ごとに感じていることや
世の中に発信したい思いを演劇で表現するため、
過去作に戻ることはありませんでしたが、今回は10年前の作品の再演。
お客さんから一番リクエストが多かった作品であり、
三浦春馬さんが初舞台を踏んだ役を今回は新田真剣佑さんが演じ、
岸谷さんと寺脇さん以外は全員がニューキャストです。
通常は具体的な年代や場所を限定せずに作品を書くことが多いそうですが
「星の大地に降る涙」は1868年という動乱の日本の設定。
ある一人の男が星から落ちてきてタバラ族という民族と出会い、
いろいろなことに気付かされて成長する中で記憶喪失だった彼が
記憶を取り戻すと、そこは実は幕末の時代だった。
日本の動乱の中に巻き込まれたタバラ族がどうなるのか?
彼自身が日本人としてどのように生きて行くのか?というストーリー。
『今、ミャンマーとバングラディッシュの国境付近には
ロヒンギャ難民が100万人いて、その4割が子供たちなんですね。
この時代にそんなことがあっていいのかという思いから
僕はロヒンギャの難民キャンプに行ってきました。
10年前に書いた「星の大地に降る涙」は一つの民族が日本の動乱の中で
時代が大きく変わる時に消えていってしまうという話なんですね。
それが10年前よりも今まさに訴えなければいけないテーマであり、
平和な日本にいる我々こそが考えなければと思っています。
宗教や国家間の問題が複雑に絡み合ってより酷い状況の中で
惨劇が繰り返されていて、これは10年前の作品ではないという気がします』。
芯となるテーマはメッセージ性が強い作品ですが、
今回はタイトルにあるようにとても楽しい“ミュージカル仕立て”で
笹本玲奈さん、湖月わたるさん、森公美子さんといったキャストの歌や
オーディションで選ばれたメンバーによるダンスも見ものとか。
++ Until now ++
小学3〜4年生の時に初めて観たミュージカル「冒険者たち」に
強い衝撃を受け、その後も名作の舞台を数多く観ていく中で
一生を賭けてできる仕事は何かと自問自答した時に降ってきたのが
舞台俳優だったそう。
大学在学中に劇団「スーパー・エキセントリック・シアター」に
入団した理由について・・・
『劇団はそれぞれに独自のテーマやイデオロギーをもっていますが、
私はどこでもよくて、オーディションをしている劇団を探したところ
たまたまSETとタイミングが合ったので。
とても甘い考えですけど、学生演劇ではなくてプロの世界を覗きたい
と思っていたので早くプロの世界の一員になりたかったので
単純にどこでもいいと思っていました。
でも、実際は延々に役がつかないので舞台に出演できなくて
裏方として大道具とか衣装を作ったりしていました。
本当に芝居が難しくて、未だに難しいと思って追い求めている感じですね』。
「スーパー・エキセントリック・シアター」に10年間在籍した後、
劇団とは異なるシステムを作って演劇をもっと広めたいという思いから
1994年に盟友の寺脇康文さんと二人で結成したのが「地球ゴージャス」。
『寺脇康文と岸谷五朗しかいないユニットで、
他のメンバーは作品ごとにお願いして出ていただいています。
劇団は一つの脚本を構成員で割る作業になるのでメンバーは同じ。
僕は一つの脚本を最大限に活かせるキャスティングができる
自由な発想で演劇をしたいという思いから劇団とは違う形を作って、
それであっという間に25年も経ってしまった感じです』。
++ Right now ++
映画やテレビドラマの場合、監督からカットがかかってOKが出れば
その時点で完成となることについて・・・
『僕が好きな彫刻家のジャコメッティは作品を完成させないんです。
我々が見たら完成だと思いますが、彼の作品は全て未完成なんですよね。
つまり、完成させるというのはどういうことかと言うと
その作品にある可能性を自分で放棄することだと。
完成させてしまったらその上にあるもっと素晴らしい、
もっと凄いことがあるかもしれないのを辞めてしまうことで、
未完成ということは未だ上を探し求めて可能性の追求ができるという。
テレビドラマとは違って演劇は完成させてはいけないんですよ。
未完成のまま一流の未完成を追求していくと完成に向かって次も頑張る。
ほんの少し何ミリか残っているかもしれないエンターテイメントの力が
明日には出るかもしれない、と爪を立てて崖を登っている感じですね』。
++ From now on ++
フットワーク良く自由に演劇をして行くために大きな劇団は作らず
寺脇康文さんと二人だけで活動しているユニット「地球ゴージャス」。
次の10年、20年と未来に向かって新しい演劇活動を続けて行きたとのこと。
結成25周年を記念した祝祭公演「星の大地に降る涙THE MUSICAL」を
3月に控えて・・・
『頑張ります!
厳しい稽古を積んで最高のエンターテイメント作品を引っ提げて
舞浜のアンフィシアターに乗り込みます。
ぜひ、劇場に足をお運びください。よろしくお願いします』。
「星の大地に降る涙THE MUSICAL」
東京公演は3月10日〜4月13日@舞浜アンフィシアター
ON AIR LIST
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FINALLY//BEAUTIFUL STRANGER / HALSEY
ナビゲーターのトークコラム的コーナー「イチカワカオスモス」では
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