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STORY

2024.05.04

バイヤーの山田遊さん


++ Introduction ++

お店に売り物として置く商品を選び、買い付ける、バイヤーという職。
山田遊さんは南青山・IDÉE SHOPのバイヤーを経て、
2007年に会社「method」を立ち上げ、
フリーランスでの活動をスタート。

商品は食から家具、ファッションなど、さまざまな商品を
いろんなお店のバイヤーとして買い付けをされている山田さん。

バイヤーという仕事を始めた当初は、
まだ物の良し悪しがわからなかったため、
いろんな展覧会や、お店へ足を運び
ものを見る力をつけるようにしていたそう。

『最初に見ていた時は、
「これ好きだな」「好きじゃないな」くらいしか見えないんですけど
それを続けていくと、その時は良い悪いで判断していたものが
「なんで良かったんだろう」とか、「なんで悪かったんだろう」
みたいなことを、ある種、イメージして言語化できるように。
そういう作業を20年くらいやってきたんですけど
ある時、自分の中の引き出しに情報が、どんどんと詰まっていった時に
情報が一定の線にいった時に「わかった」と。
まず視覚から入っているので、その時に本来言葉は必要ないというか
バイヤーの基準として「良い」「悪い」「売れる」「売れない」の4つしかなくて、
だから自分の中で好き嫌いはあるけど、
そのお店に合った「売れる」ものを引き出しから出していくという作業の方が
結構、大事なような気がしていて。』

お店にどういった商品が並ぶといいのか、という
コンサルタント業のような役目も担っているとのこと。

そんな山田さんが立ち上げた「method」は
渋谷に事務所を構えていますが、
仕事で関係している人が出入りするオフィスでありながら、
バイヤー、アート好きな方などが入り乱れる場所を作りたいということで
事務所もギャラリースペースを併設。
ファッション、アートの展示会やイベントを開催されています。

さらに、山田さんは最近の大きな活動として、
一昨年の年末に、ご自宅とギャラリーを兼用した
「HOUSE」を完成させました。

『自分の仕事だけをしていると
普段お会いできない人と、お会いできる機会って
なかなか持ちづらい。
僕はどちらかというと、そこで不意な出会いみたいなのがある方が
自分のプライベートでも、自分の仕事でもすごく新鮮な驚きだったりとか
機会があるんじゃないかなと思っています。』



++ Until now ++

今回は、「一番、価値観が変わった時」というキーワードで
山田さんの過去を伺っていきました。

その一番価値観が変わったタイミングというのが
2020年からのコロナ禍の3年間。

それ以前は趣味もなく、仕事を中心に過ごされ
ご自宅は寝る場所くらいに思っていたそうですが
コロナ禍により、外出自粛で、家にこもらざるを得ない状況のとき
借家の全てが嫌になり、家を建てようと考えたとか。
それと同時に、地元の三鷹にも目がむき始めたとのこと。

『渋谷の街中に閉じこもらなきゃいけないというのがヤダなと。
街が、自由に移動できた時とは全然違って見えて、
それで緑がないといけないなと思いましたし、
地方に移住とか、二拠点とかも考えました。』

家を建てる際の、山田さんのこだわりは
「色」と「ギャラリーをやりたい」ということのみ。

建てた場所が緑に囲まれた場所だったということで
緑に合う、さらにずっと住み続けられる
お年を重ねても、自分に似合う色として
弁柄の赤茶色を選んだとのこと。

GW後半戦。バイヤーとして国内外、さまざまな場所へ出向き
商品を買い付けしている山田さんに
その土地、地方ならではの、物を買う時に、
注目すべきポイントを教えていただきました。

『僕個人的には、色と素材だと思っていて。
例えば、自分の家の色がグレーだったとしましょう。
そうすると「グレー×黄色」はオシャレとして相性がいい。
そういう感じで連想ゲームのように繋げていくというか。
家の素材が木であれば、コントラストとして
「鉄」とかでも相性がいいかもしれないです。
家の中にあるマテリアルと色を一つずつ繋げていって
そのものが繋がったら、
その隣にあるものは家の素材とは、ちょっと違うかもしれないけど、
また繋げていく。
大きくいうと色と素材と、形状。
お店とかは、そうやってディスプレイしているので。』

++ From now on ++

佐賀県佐賀市の伝統的な手漉きで和紙を作られている工房が、
3年前の豪雨により、大きな損壊を受けてしまいました。
そんな伝統的な手漉き和紙工房が、昨年、新築で生まれ変わり、
現在は、その隣に同じ建築家さんがショップを建設中で
山田さんはそのお手伝いをされてるそう。

6月にオープン予定とのことで、
『日本中で洋紙が主流な今。
和紙ってどうしても斜陽産業であるような認識があるんですけど
一瞬にして新しい工房とお店ができて
これ、和紙の世界の希望の星になっちゃったじゃんって。
その中でお手伝いや、より背中を押すことができれば
すごい幸せだなと思って。
それは能登とかで起こっていることにも
一つ励みになるかもしれないし、
こういうことができる可能性があるというところを提示できるのは
すごく大事なこと。』

バイヤーとしてお仕事をしている中で
物作りの場所と、売っている場所の距離が遠いと感じるそう。
そういった中で、買い手と作り手の距離を縮めたいと考え
山田さんはこれまで、産地でのイベントも開催してきました。
今では海外からの観光客もたくさん日本に来て
伝統的な工房を見学される方も多いので
コミュニケーションの障壁を取り除くのが大切だとお話ししてくださいました。

さらに今後大切になってくるのは「地産地消」だと山田さんは考えているそう。

『お店で買って、足りないのは、作っている人が見えないこと。
どうやって作っているかが見えないのが、大きな問題だと思っていて、
基本的には、その物が生まれた場で、生まれた物を買ってもらう。
ツーリズム、そこへ行く体験も含めて買う。
そっちの方がお金はたくさん出ていくんですが、
地域に落ちたりとか、いろんな仲介業者が絡むことによって
利益が作っている人から減るので
直接買ってもらう方が利益が大きいので、
そうやってクリティカルに、作り手に落ちていく形とか。
あとは行くと、ちゃんとファンになってくれるので。』

ON AIR LIST

  • ALL FALLS DOWN / LIZZY MCALPINE
  • HOW SWEET IT IS(TO BE LOVED BY YOU) / JAMES TAYLOR
  • I COULD NEVER TAKE THE PLACE OF YOUR MAN / PRINCE

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