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STORY

2024.06.22

料理人・飲食店プロデューサーの稲田俊輔さん


++ Introduction ++

お店のコンセプト、店名やデザインの考案、レシピ開発など
飲食店のプロデュースをされている稲田俊輔さん。

『例えば、場所があるから
ここで飲食店をやってもらえませんか?みたいな依頼が来るんです。
そうしたら、その場所だったら、何系のお店を作ろうみたいところから始まって
店名とかデザインとか、メニューとか、内装のこととか
色々決めていかないといけないんですよね。
そういった全体像をしっかり決めないといけない。』

場所によってターゲットとなる年齢層も、傾向も変わってくるので
そういったことも考えつつ、お店全体のプロデュースを考えられているそう。

これまで稲田さんは、南インド料理店「エリックサウス」をはじめ
和食店、カフェ、ビストロ・・・と幅広いお店をプロデュースされてきました。

実は、南インド料理店「エリックサウス」は
「カレー屋さんを出店してほしい」という依頼からスタートだったそう。
ですが、稲田さんとしては単なるカレー屋さんするのではなく
カレーも含まれる、南インド料理というジャンルのお店にし、オープンさせました。
「南インド料理」にした理由は稲田さんが個人的に好きだったからとのこと。

『好きなものが広まったら嬉しいというより
自分の好きなものを、
他の人が喜んで食べていたら嬉しいじゃないですか。
その光景を見たいだけだったんですよね。』


メニュー監修やレシピ開発を始め、
店舗プロデュース、さらに“食”にまつわる本なども執筆されている
“食“に関するエキスパートである稲田さんですが
今、注目している飲食のトレンドは
「モバイルオーダーやタブレットオーダー」。

ここ数年で一気に普及してきた
モバイルオーダーやタブレットオーダーですが
一部では人間味が薄れるという意見もあるそう。
ですが、このモバイルオーダーが出てきたおかげで
より自由に飲食店を楽しめるようになったと稲田さんはお話ししてくださいました。

『例えば追加オーダー1つでも、
思いついたらすぐに自分のペースで注文ができたりとかするじゃないですか。
前なら追加しようと思っても、
店員さんを呼ぶの悪いなと思ったり、遠慮しちゃったり、
やめとこうとなっていたのが
気軽にオーダーがどんどんできるようになったというのが
すごく楽しいなと思っていて。
お店側としても、お客さんがメニューを見て興味を惹かれて
ついオーダーしてしまうような、
メニュー作りを頑張れば頑張っただけ良いことあるみたいな。
ちょっと未来あるなと思っています。
ウィンドウを開けば、より詳しいメニューの説明とか。
紙のメニューでは説明しきれないことまで説明できちゃう。』

食のジャンルの流行としては今、日本全体が保守化になっているそうで
さらに若い層ほど食に対して保守的になってきてしまっているとのこと。
なので知っているものや、味の予想がつくものにしか人気が出ないそう。
そのため、みんなの知っている味のものが改めて人気がつく傾向になるとか。



++ Until now ++

「今が一番楽しい」と語る稲田さん。
飲食にまつわる仕事は、基本的に楽しく、
さらにその中で新しいことを始める瞬間が一番楽しいため、
結果的に「今が一番楽しい」がずっと更新され続けていると
お話ししてくださいました。

そんな稲田さんのモチベーションとなっているのは
「新しいことを始める瞬間」。
常に趣味として
メニュー開発や試作を繰り返し、新しいレシピを作られているそう。
そういった中で、新メニューの相談があった際に
日頃の試作メニューの中から提案したり、
お店に関しても、常に妄想の中で業態開発をしているとのこと。

『自分が趣味とか楽しみで
メモ書きとかで作ってきたものが
ごく稀に、日の目を見る時があるわけです。
その時にモチベーションが上がりますね。』

ずっと食べるのも好き、作るのも好き、
社会人生活を経て、飲食店というものに興味があったため料理人の道へ。
さらにこれまで国内外での食べ歩きなどもされてきました。
そういった中でこれまでで、最も忘れらない料理を挙げるとしたら
南インド料理の「ミールス」。

『まずはビジュアルが衝撃的でしょ。
カラフルだし、色々並んでいるし。
最初はこれの何が美味しいのかさっぱりわからなかった。
美味しいのか、美味しくないのかさえわからなかった。
訳がわからないなりに、
これはすごく良いものに違いないと何故か確信があったので、
自分でもそれがなんなのかわからない。』

元々はカレーが好きだった稲田さん。
本格的なカレーを食べてみたいということでインドへ。
さらに掘り進め、南インド料理に出会い、魅力に惹かれていったそう。

今、稲田さんが注目しているのが「北関東の食文化」。
東京の食文化はどんどんと変化する中
そういった文化の洗礼を受けていない
昔からある関東の食文化が残りつつあるのが面白いところと
お話ししてくださいました。

++ From now on ++

南インド料理店「エリックサウス」をプロデュースされたり
さらに一番衝撃を受けた料理が南インドの料理「ミールス」である稲田さんに
初心者でも使いやすい、おすすめのスパイスを伺ったところ
「クミン」をあげてくださいました。

『クミンってパウダー状のものと、
粒々の状態のクミンシードの両方あるんですよね。
あえてオススメしたいのはクミンシードの方で
クミンシードもクミンパウダーも同じスパイスなんですけど
結構印象が違って、粉だと味を濃くするイメージなんですけど
粒の方って不思議な爽やかさがあるんで
この梅雨の時期にぴったりな爽やかな感じが楽しめます。』

クミンシードを肉野菜炒めに入れるだけで
簡単に、かつ美味しくエスニックで、爽やかな料理になり
さらにクミンシードの粒々がゴマみたいなアクセントにもなり美味しくなるとか。

他にもマイナーなスパイスで「スマック」もオススメとのこと。
このスマックというスパイスは赤ジソのふりかけ「ゆかり」のような味がするそう。
一番手軽なのはお肉を焼いて、食べる際に、
そのスマックをつけて食べるのも良し、
さらにハンバーグを作る際に
そのスマックを一緒に練り込むのも美味しく仕上がるそう。

ぜひクミンシードとスマックを使ってみてください!

稲田さんのこれからの活動について伺ったところ、
普段から仕事以外でも妄想の中で飲食店プロデュースされていて、
その中でもかなり実現に近いものがあるとのことなので
そういった妄想を一つでも実現できたらよいなとお話ししてくださいました。

さらには妄想だけではなく、原稿も趣味として書き溜めているとのこと。
そんな原稿を書くのが仕事にも、息抜きにもなっている稲田さんですが、
来月には新しく2冊ご出版されます。

7月10日『料理人という仕事』(ちくまプリマー新書)
これから料理人という仕事をやってみようと思っている
学生に向けた本になっているそう。
学生以外にもこれから資金を貯めて飲食をやってみようかなと
考えている方にも、おすすめの本になっているそう。

7月17日『現代調理道具論』(講談社)
ゴムベラ、フライパン、自動調理鍋など・・・
様々な道具を使ったレシピもご紹介。

『せっかく進化した世の中なので
便利な道具はじゃんじゃん使って
楽して楽しく料理をしようみたいなことを一冊にまとめた本です。』

最後に、これからの稲田さんの活動を通して
伝えていきたいメッセージを伺いました。

『食ってそもそも楽しむためのものだと思っているんですよ。
でも食っていろんな人が思っているよりも
もっと多彩で幅広い楽しみ方みたいなものがあるから
自分もそれを見つけて、実践していきたいし
自分が見つけた食の楽しさみたいなものは
なるべく多くの人に伝えて、
みんなでめいいっぱい食を楽しんでいける世の中になるといいなと思っています。』

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