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STORY

2024.09.07

俳優の柿澤勇人さん


++ Introduction ++

今年、舞台「ハムレット」で主演をつとめられた俳優の柿澤勇人さん。

柿澤さんが、これまで参加されてきた数ある演劇の作品の中でも、
今回のハムレットの役は一番セリフ量が多かったとのこと。
3時間半くらいの舞台の中で、3時間ほど
話したり、叫んだり、泣いたりとずっとお芝居をされており、
やはり大変だったと改めて振り返りお話ししてくださいました。

そんな3時間にも及ぶセリフ量を
どうやって覚えられたのか、伺いました。

『稽古が始まる1ヶ月半前から他の舞台をやっていて
それもそれで大変だったんですけど
その公演中にセリフを入れ始めました。
本来はセリフと人格形成を同時にやっていって
夜な夜な練習して、
両方面からアプローチしていって覚えられるんですが
ハムレットの場合はずっとセリフを書いてましたね。
ハムレットは現代語じゃないんですよ。
詩的なところもあったりとか、普段使わない言葉で進めないといけない。
例えば「愛している」の一言だけで通じるのに
その「愛している」を3ページとか、独白を1人で読んだりするから
僕はちょっと書かないと覚えられない。』

これまで数々の作品を演じられてきた柿澤さんですが
役作りの時に大切にされていることも伺いました。

『どう足掻いても嘘をやっているじゃないですか。
でもなんで芝居をやっているかというと
とある演出家さんが言っていたことなんですが
「嘘をとにかく信じてリアルに自分が腑に落ちるところまでやる。
いつかリアルになったら本物になる。」と言われたことがあって
それを信じているんですが
だから自分の言葉で言えるように、人の言葉を聞けるように
というのは常に意識はしていますね。』

今回の演出を務められたのは俳優の吉田鋼太郎さん。
吉田さん自身も昔、ハムレットを演じられていたこともあり
吉田さんにとっても特別な作品ということもあり
一つ一つのセリフに
熱の入った指導をしてくださったそう。



++ Until now ++

柿澤さんの「一番絶望的だった時」
というキーワードで過去を振り返っていきました。

劇団四季という劇団で3年ほど在籍していた柿澤さん
ミュージカルを中心に演じられていました。
その後は退団し、俳優として活動を始め
ドラマや映画など、役者とはなんだろうと希望を持っていた頃に
演出家の蜷川幸雄さんと出会ったそう。

それまで劇団四季では驚きのスピードで
初舞台や、初主演などを経験し、
順風満帆に活動され
退団後も俳優として自信を持っていた時期に
蜷川さん演出の「海辺のカフカ」に挑むことになったそう。
しかし、稽古初日にその自信は、折れてしまったとか。

『言われる言葉も「〇〇だからダメ」、「もっとこう」とかじゃなくて
「下手くそ!」「役者辞めちまえ!」という感じ。(笑)
そうすると人間って病んでいくんですよね。
最初はやってやろうと思うんですけど
それが1ヶ月半続くので。
なので、2週間くらいで「もうダメなのかな・・・」って気持ちが下に。
その公演中は何も正解がわからなくて
気づいたら終わっちゃったっていう。』

蜷川さんに言われたのは「ノイズがない」ということ。
信じる、愛など
人生は綺麗なもの、ポジティブなもの、美しいものだけではない。
人生のドロドロとしたノイズのようなものもあり
それを体現するのが役者だと蜷川さんに教えていただいたそう。

その時には、正解が見つけられなかった柿澤さんですが
その3年後くらいに舞台が再演があり
再び演じることに。
柿澤さんはこれで成長していないと言われたら
役者を辞めようと考えていたそう。
しかし稽古初日に本読みがあり、
終わった後、蜷川さんに
「お前、めちゃくちゃ成長したな。この3〜4年の間に何があった」と
言ってくださったとのこと。
そこで「まだ役者続けていいんだ」と、救われた言葉だったそう。

その頃の経験は今の活動にも生きていると
柿澤さんはお話ししてくださいました。

学生時代はサッカーに本格的に打ち込んでいた柿澤さん、
将来はプロサッカー選手を目指すも
課外授業で劇団四季「ライオンキング」を観て、役者の道へ。

『冒頭、Circle of Lifeという歌から始まって
そこから「なんだこれ!こんなにエネルギーがある空間があるんだ!」
と思って、「ここに行きたい」と。本当に根拠のない自信があって。
終演後に担任の先生のところへ行って「ここにどうやって入るの?」
って聞いたら、「こういうのは子供の頃から芸事をやっている人たちが入るんだよ」
と言われたんですが、「マジでここに入りたい」ってなって
CDを買って聴いてましたね。』

++ From now on ++

これまで国外の舞台にも立たれたことのある柿澤さん、
その時の舞台がとても気持ちよかったとのこと。

『舞台をやっての、快感も、達成感もあるんですけど
また全然違う海外の反応、雰囲気も違うし
そこでの熱狂というか、成功できたというのが
またやりたいなというのがあって。
それは舞台に限らず、ドラマでも映画でも
発信できるチャンスがいっぱいあるじゃないですか。
チャレンジできるものがあれば、
果敢に何でもやりたいなという感じはありますね。』

9月13日に写真集「untitled」を宝島社より発売されます。
一年間、舞台の裏側を密着の様子から、オフの日の姿も。
普段、ファンの方にはお見せできない
柿澤さんも「こんなところ撮っていたの?」となるような
自然体の柿澤さんの姿が見ることができる写真集となっているそうです。

ジュンク堂書店池袋本店にて9月14日(土)に
この写真集の発売を記念してイベントも開催されるそうです。
こちらも併せてチェックです。

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