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STORY

2024.09.28

レスリング フリースタイルの選手 樋口黎さん

++ Introduction ++

ミキハウスに所属し、
パリオリンピック 男子レスリング フリースタイル57キロ級で
金メダル獲得されたレスリング フリースタイルの選手 樋口黎さん。

しかしその前の東京オリンピックでは体重調整に苦しみ、
減量の失敗などによって出場を逃しました。
わずか50グラムの計量失敗により落選…

『できること全てやりきっての50グラムだったんで
もうちょっと動けば落とせるじゃんと思われるかもしれないんですが
僕的には一才の悔いなく落としてやりきったと自信を持って言えるので
もちろん応援してくださった方には申し訳ない気持ちはありますけど
その挫折があった上でパリに向けて
もう一度頑張ろうと思えたので、良い挫折だったなと思います。』

これまで飲まず食わずで、ひたすら走り込みや練習をして
汗をかいて減量されていたそうですが
それでは体重を落とした上で高いパフォーマンスが出せないということで
今回のパリに向け、ボディービルやフィジークのような
体脂肪を落としつつも、筋肉量を落とさないような減量の仕方を
YouTubeやネットの情報を集め、減量していったそう。
そういった情報のおかげで当日も
落とした上で動ける体づくりができたとのこと。

そんな厳しい減量が終わった後に
すぐに口にしたいものは実は、水だったそう。

『57キロ級なんですけど、脂肪体重が57キロあって
体脂肪5%でも60キロになってしまうので
それ以降落とそうと思ったら体脂肪で落とすと死んでしまうので
水を削るしかないんです。
それまでは水をガンガン飲んで、
体脂肪だけを削るためにカロリーを減らす食生活をしていって、
さらに残り1週間から水を多めに飲み出して蓄えて
残り2日で水を普段の量や飲まなくなると
全部水が出るようになるので
最後の3キロは脱水症状みたいな感じですね。』

そういったギリギリの減量を経て、
パリオリンピックで金メダルを獲得した樋口さんですが
実は大のマカロン好き。
フランスということもあり、お祝いはもちろんマカロンだったそうです。

パリ大会でレスリングは、金8・銀1・銅2のメダル数という
多くメダルを獲得した日本チームでしたが
その強さの裏には各所属の先生やコーチたちが
選手と一丸になって強化してきた結果があるとお話ししてくださいました。

『昔は指導者がスパルタでやるようなイメージがあるじゃないですか。
そういったものが一切排除されて
練習の内容に関してもコーチと言い合えるような
「もっと追い込んで練習をしたい」とか
「疲労の限界なので軽めのストレッチがしたい」とか
言い合える信頼関係が築き上げてこられた
レベルアップしてきている面だなと感じますね。』

昔はひたすら追い込むというのが重視されていましたが
今は休みも大切とされ、
その休み方の質も計算し、選手たちは過ごされているそう。


++ Until now ++

樋口さんの「一番驚いた時」
というキーワードで過去を振り返っていきました。

寝てて起きたら生後半年の娘さんの顔が目の前にあり、
ベッドにつかまり立ちをしていたこととのこと。

ご家族といえば
パリ大会では、奥様に金メダルをかけるシーンが、とても印象的でした。
減量中は奥様も協力してくれたそう。

『減量食になると、鶏肉を一番食べるので
剥いだ鶏皮を妻が食べてくれて
僕のカロリーが減ると、妻のカロリーが増えていくので
体重が反比例になっている形ではありますが
すごく応援してくれて、一緒にやってきてくれて
すごく嬉しいなという思いが、勝った後ありましたね。』

4歳の頃からレスリングを始められた樋口さん。
体が小さかったということもあり
ご両親が将来イジメられないようにということで
レスリング教室へ連れていってくれたことが始まりだったそう。

そんな4歳からレスリングをされてきた樋口さんですが
他のスポーツよりもレスリングにのめり込んでいった理由も伺いました。

『道具を使わないで、生身ひとつでやる。
ルールがある、打撃なしのケンカのような形なので。
あとは引き分けがないのも魅力ですね。
必ずどちらかが勝つようになっているので
その中でどっちがタックルを取りにいくか
どうやって相手を倒すか、
相手がどういう技を仕掛けてくるのかという駆け引きっていうのも
レベルが高くなってくるとすごく面白くなってくるので。』

3分×2ピリオドの試合が行われるレスリング。
試合には
事前準備をしっかりとおこない臨むそう。
相手の技の種類、バテてくるタイミング、癖など
ありとあらゆる想定をして練習するため
試合中に予測外のことが起こったとしても
勝手に体が動くような状況に持っていくそう。

樋口さん自身、メンタルは強い方ということですが
さらにこれを引き上げさらに高いパフォーマンスをするべく
昨年の世界選手権後から
メンタルトレーニングも取り入れるようになったとのこと。

『メンタルもフィジカルと一緒で
筋トレしないと筋肉って落ちていくじゃないですか。
メンタルもトレーニングしないと鈍るというふうに言われて
研鑽が必要だなというふうな認識に変わりました。』

具体的に今でも行なっているメンタルトレーニングは
常に自分の考えを書き出し、アウトプットすることや
目標達成のための必要なことを書き出すマンダラチャート。
さらにシミュレーショントレーニング。

『相手とイメージの中で圧勝できるまで繰り返すというのを
ひたすらやりますね。
最初は頭の中だけで考えてシミュレーションをやって
だんだんイメージが具現化できてきたら
体の動きも多少付け加えながらやって
最後は対人で練習をするときに
イメージと体の動きをリンクさせるようなことをやっていますね。』

++ From now on ++

パリオリンピックを終え
今後ともレスリングを楽しむ心と
相手へのリスペクトを忘れず、真摯に向き合っていきたいと
お話ししてくださった樋口さん。

今はイベントなどで、応援してくださった方々や
メダルを見せに回っている最中とのこと。

今後の目標についても伺いました。

『一応、まだ取っていない大会が
あとはアジア大会だけなので、そこに向けてやっていくのと
長期的なことでいうと、
スポーツの力っていうのを通じて、社会に貢献できるような、
社会を盛り上げていけるような人材になっていかないと
アスリートというのは先がないと思いますし
そういった社会に希望をもたらすことができるようなアスリートを目指して
頑張っていきたいですね。』

そんなアジア大会に向けトレーニングも重ねつつ
レスリングの普及活動を行なっていきたいと
お話ししてくださった樋口さんですが
これからもっとレスリングを普及していくために必要なこととは・・・

『簡潔にルールを説明できるような
アニメーションを用いた動画だったり。
SNSを通じてレスリングをもっと
わかりやすく親しみやすく発信していくことだったりとか
あとは協会と選手が一緒に各地を回って
イベントであったり、簡単に触れられる体験教室っていうのを
もっとそういう活動をやっていかないと
このまま今回のオリンピックの結果だけに満足していたのでは
先はないと思いますし、後進も育っていかないので
普及活動も力を入れて頑張っていきたいですね。』

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