J-WAVE 81.3 FM
SATURDAY 21:00 - 21:54

STORY

2024.10.05

タップダンサーの熊谷和徳さん

++ Introduction ++

現在は、ニューヨークと日本の2拠点をベースに活動されている
タップダンサーの熊谷和徳さん。

タップダンスは元々、アフリカの方が
感情を表現することから始まったと言われており
ブルース、ジャズと同じルーツで
心の感情表現として歌うようにリズムが生まれているそう。

本場ではジャズのミュージシャンと一緒に
即興でタップするというのが主流になっているとのこと。

『いろんなショーがあるんですけど
僕の場合は1人でやることが多いので
振り付けをみんなで決めて、その通り踊るというよりは
ミュージシャンの人たちと、その瞬間に出てくる音に
どれだけその瞬間のインスピレーションでやれるかという・・・』

靴の裏のつま先部分とかかとに、鉄板が付いています。
そんなタップシューズを使い、音に合わせ
つま先とかかとを踏んでダンスをしていくタップダンス。
強く踏んだり、つま先を床になぞったりと使い分けながら
リズムカルなあの「タタンタンッ」という音を出しています。
タップダンスをする下の板によっても音が変わってくるとのこと。

改めて熊谷さんにタップダンスの魅力について伺いました。

『どんな人でも踏めるというところですかね。
他のダンスだと体格とか、年齢とか、
いろいろと左右するところがあると思うんですけど、
タップって歩いている音そのもの。
僕らの先生が言ってくれたことなんですけど
歩いている人はみんなタップを踏んでいるからって言っていて、
だからどんな人でも自分のリズムを踏めるというのは
タップの魅力かなと。』



++ Until now ++

熊谷さんの「一番嬉しかった時、今思うと切ないこと。」
というキーワードで過去を振り返っていきました。

ニューヨークへ行き、すぐくらいの時
熊谷さんが尊敬していたタップダンサーで
タップを踊るきっかけとなったグレゴリー・ハインズと二人で練習したこと。

その時、グレゴリー・ハインズがスタジオで練習していたところを見ていた熊谷さん。
そんな熊谷さんの姿を見たグレゴリー・ハインズが
一緒に練習しようと誘ってくれたそう。

『その時は一杯一杯で、
向こうが出してくるリズムに絶対に負けないという気持ちだけだったんです。
そこには憧れとかではなくて
自分もテンションが上がっているという感じで。
その数年後にグレゴリー・ハインズが亡くなってしまって
あの時の会話とか、
ほんとに貴重だったんだなという風に思い出すんですけどね。』

今でもグレゴリー・ハインズとの会話で後悔している事があるそう。
それはグレゴリー・ハインズが「ピザ食べにいく?」と誘ってくれたことがあり
その時に熊谷さんは咄嗟に「No」と言ってしまったとのこと。

『向こうもまさか「No」って言われると思っていなかったようで
びっくりしていて、ちょっと笑いながら行ってしまったんですけど
そのことをずっと「なんで行かなかったのかな」と(笑)
ずっといる人だと思っていたんですよ。だから一期一会だなという。』

熊谷さんが本格的にタップダンサーを目指すようになったのも
15歳の頃に見た、グレゴリー・ハインズの「タップ」という映画がきっかけ。

19歳の頃にアメリカに渡りましたが
当時はタップダンスを職業にするのを反対されており
大学進学を進められていたそうですが
何をしたいのか分からなくなり、何も手につかなくなってしまい
そこでとにかく一回アメリカへ気持ちになったそう。
タップダンスの本場ということや、気持ちをリセットしたいという思いから
渡米されたとのこと。

アメリカの大学では心理学を学ばれていたそうですが
心理学の先生と話しているうちに
タップダンスも心理学も
心を使うことがから両方やってみなさいと言っていただいたそう。

そういった中で、ブロードウェイのショーのオーディションに受かったり
ヒップホップとタップのショーなどに出られていたそう。

『同世代の人たちが
どちらかというと黒人の人たちが、
自分のアイデンティティのために踊っているとか
人種差別とかに対して、
どう思っているかをタップで伝えていたんです。
それがすごい素敵だなと思って
自分もそういうこと追求してみたいと思ったんです。
タップは一面では人を喜ばせるためっていうこともあるんですけど
本来は生活の一部だったりとか
足を踏むという本能とか、感情表現だと思うんですね。
高校生の時に行き詰まって、人と喋れない時に
タップに救われたというか
今もそういう気持ちで続いている感じです。』

++ From now on ++

今後はタップのエンターテインメント部分だけではなく
自己表現の部分、アート表現であるということを伝えていきたいとのこと。

日本でも段々とタップダンス人口が増えてきているとのことで
世界で活躍するタップダンサーも増えてきているとか。

プライベートの熊谷さんはタップダンス以外では
絵を描いたり、写真を撮ったりと、表現の形を変え過ごされているそう。
特に絵は個展も開いたりもされているとか。

『踊っているときに自分に見えている景色みたいなものがあって
本来はそれを見て欲しいんです。
自分が見ている情景・景色を何か共有したいなというところがあって
それを絵に描いてみたときに
また違うコミュニケーションが生まれるというか、
それが面白かったですね。』

今後の熊谷さんのスケジュールとしては
10月19日にはsong&supper BAROOMにて
『“THE LIVE” 熊谷和徳×沖仁』がおこなれます。
そして10月26日は熊谷さんのスタジオ「KAZ TAP STUDIO」の16周年イベント
『KAZ TAP STUDIO 16th Anniversary Event 「軌跡と奇跡ーkisekiー」』 が
めぐろパーシモンホール 小ホールにて行われます。

ぜひ足を運んでみてください。

ON AIR LIST

  • DANCING IN THE FLAMES / WEEKND
  • 360 / CHARLI XCX
  • YOU CAN DO IT(BABY) / NUYORICAN SOUL FEAT.GEORGE BENSON

ARCHIVE

MESSAGE TO STUDIO

メッセージを希望する方は、
下のボタンから専用フォームにて送信ください。

メッセージを送る
  • ORIENT STAR

INSTAGRAM

HOME