STORY
アウトドアライフアドバイザーの寒川一さん

++ Introduction ++
一般的に非日常であるアウトドアを
生活に溶け込ませて日常化させ、
毎日を豊かに楽しく、もしもの時には力強く生きられる、
しなやかな暮らし方を提案する「アウトドアライフアドバイザー」という仕事。
今回のゲスト、寒川一さんは「アウトドアライフアドバイザー」として
各種ワークショップを開催したり、
書籍やラジオ、テレビといったメディアを通じて活動されています。
現在は災害時に役立つキャンプ道具の使い方も提案されている寒川さん、
こういった災害時の提案をし始めたのは東日本大地震がきっかけだったとのこと。
ほとんどのアウトドアの道具やスキルは災害時に役立つとのことで
例えば、災害時に家屋が住めない状態になってしまった場合、
テント道具と知識があれば、独立した生活や、
避難所にはなかなか一緒に連れて行けないペットと共に
テントで過ごすことができるそうです。
こうしたことが、少しでも被災時のストレスの軽減に繋がるのではと
寒川さんはお話ししてくださいました。
さらに、アウトドアの知識で
素材や、重ね着の仕方などによっては
少ない枚数の服で、極寒にも耐えることも可能になるとか。
専門的には「レイアリング」と言い
ちゃんとした素材や知識があれば-50℃を耐えることもできるそう。
そして、寒川さんは「焚火カフェ」という活動もされているとのこと。
こちらは予約制で三浦半島西側の海岸にて
焚き火で過ごす時間を提供されています。
『これは実際に浜辺でやりますから
夕方の時間って1日の中で一番ドラマチックな時間帯ですよね。
その日没の時間を、火を焚いて景色を眺めながら
波の音も聞きながら過ごすというのが、1番の醍醐味です。』
焚き火カフェということで、実際にその焚き火を使って寒川さんが
コーヒーの生豆を焙煎して、近くの湧水を使いコーヒーを淹れたり
焚き火を使い、焼きリンゴやホットサンドを作り、提供されているとのこと。
寒川さんからみて、焚火の魅力とは・・・
『一言では言い表せないくらいあるんですけれども
代表的にいうと、五感で楽しめるということ。
匂いもそうですし、パチパチとはぜる音も、
あとは温度を感じるというのもありますが、
今のこの時代は割と映像見ているとか、
平面的なものが多いじゃないですか。
その中で五感全部が刺激される焚き火というのは稀な存在かなと。』
++ Until now ++
寒川さんの「一番の美しい焚き火を見た時。」
というキーワードで過去を振り返っていきました。
ライフワークとして焚き火をされている寒川さんですが
その中でも一番美しいと感じた焚き火は
30年前の新婚旅行の時に行った
バハ・カリフォルニアの砂漠の無人島での焚き火。
ガイドの方が浜に打ち上がった流木を集め、
小高い砂丘に穴を掘って火を放ち、焚き火を起こしてくれたそう。
『その当時の景色が
まだ目を瞑れば鮮烈に見えてくるんですが
手を伸ばすと星が掴めるんじゃないかというくらい
あんな威圧感がある星空を今まで見たことなかった。
その星に向かって、目の前の焚き火の炎が
真っ直ぐ突き上げていくように登っていく様が
炎の先端が星についてしまうんじゃないかなというように僕には見えたんですよね。』
この時の焚き火があまりにも綺麗で、焚き火というものに答えがあるのならば
この時に見た焚き火が正解なのではないかと教えてくれました。
そしてこの焚き火を追い求めて、焚き火をしているような感覚もあるとのこと。
この新婚旅行で行ったバハ・カリフォルニアは
ガイド付きツアーで
同行してくれたメキシコ人のガイドさんが、
テントの用意から、ご飯まで作ってくれたそう。
ご飯の時には、ダッチオーブンを使い
メインの料理からデザートまで振る舞ってくださり、
そんな、アウトドアの中でもてなしてくれるツアーを体感し
自分でもやってみたい思い
数年後「焚き火カフェ」をスタートされたそうです。
子供の頃からアウトドアが好きだった寒川さん。
14、5歳の頃、一人で自転車で四国一周をしたことが
アウトドアに目覚めるきっかけに。
『要は丸腰の状態に近いんですよ。
それで行った先で困るわけです。
ちょっと焼きたいなと思っても、どうやって火を起こせばいいんだみたいな。
そういうことを自分が一つ一つ考えて切り抜けていく
それはすごく楽しいことだなと。お金に変えられない。
パンク一つにしても、どうやって直していくかみたいなことも
こんなに楽しい遊びはないと思って。』
++ From now on ++
最近は「石」にハマっているという寒川さん。
お仕事で縄文遺跡で管理されている方々と一緒に
縄文時代はどんな風に火を起こしていたのか検証されているそう。
そういった中で石で組んだ炉があり、そこで火を見ていると
石と火の関係性は本当に深いなと感じたそう。
『火って手で持てないじゃないですか。
でも石は火のそばに置いておくと、熱せられて、
例えば布に包んで、寝袋の足元とか、
懐に入れておいてカイロ代わりにするとか
火そのものは持てないけど、石は日を移す力もあるし・・・』
焚き火と石の関係だけではなく
手触りの良い石も常に探しているとのこと。
そういう石を心の支えのために普段持ち歩いているそう。
最近はその石好きが高じて
焚き火を囲むプレートに7つの穴が空いていて、
それに合う石を求め探し、自分だけの焚き火台を作る
「ストーンクエスト」という、製品を開発されました。
今後の活動としては
3月22、23日に千葉県のキャンプ場、君津ハイガーデンで
キャンプ道具の作り手と使い手をつなげるキャンプイベント
「ecru camp」というイベントにゲスト参加されるそう。
寒川さんがプロデュースしている
焚き火道具ブランド「TAKIBISM」」のお話をしたり
実際に使うシーンを参加者と共有。
焚き火とキャンプに興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
さらに4月には寒川さんが焚き火の監修された映画が公開となるそう。
今回の映画ではたくさん焚き火のシーンがあるとのことで
こちらもぜひチェックを。
ON AIR LIST
-
ANOTHER PARK,ANOTHER SUNDAY / DOOBIE BROTHERS
-
WHATEVER U LIKE / UMI
-
CLOSER / SHIMON HOSHINO,MICHAEL KANEKO
ナビゲーターのトークコラム的コーナー「イチカワカオスモス」では
リスナーの皆さんから届いたメールをご紹介!