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STORY

2025.03.01

眼科医の窪田良さん

++ Introduction ++

眼科医としてだけでなく、
製薬会社のCEOでもいらっしゃる窪田良さん。
そんな窪田さんが最近リトルモアから出された本が
「近視は病気です?今、子どもの目が危ない」。

眼科疾患で一番数の多いのが近視で
実は東アジアの20歳以下の90%以上が
近視になっていると言われているとのこと。
さらに2050年には、世界人口の約半分が近視になるとも言われているそう。

近視を病気とするべきだと窪田さんは発信されていますが
現在、日本では近視は屈折異常という
ノーマルバリエーションではないかという意見が強いとのこと。

アメリカでは近視の有病率が日本に比べ低いそうですが
近視を病気にするべきという声が上がっているとのこと。
さらに中国や、台湾、シンガポールでは近視を病気と認定し
対策をとっているとか。

アメリカより、日本の方が近視の人が多い理由として
ライフスタイルの違いが大きく関係していると言われているそう。
日本は欧米に比べ、お子さんが外で遊ぶ時間が
どんどんと短くなっていき、
今では1日に外で遊ぶ時間は1時間もないそう。

『アフリカでは近視は10%以下ですし
非常にプリミティブな生活をされているところでは
近視はほとんどないんですよね。
でも、そういう方々が都市生活に移ると
突然、ものすごく近視が増えてしまうんです。
だから明らかに環境的な要素だと言われているわけです。』

近視は増えているものの、
その原因としてマホやタブレットが
必ずしも影響しているということではないそう。

『スマホというものが2010年くらいに普及し始めて
昨今では子供も使うようになっているんですけども
それで近視の有病率が急激に増えたとかではなく、
一貫して増えているので
いろんな研究結果はあるものの
今の現段階での見解としてはスマホが目に悪いわけではなくて
漫画だろうが、本だろうが、タブレットだろうが
近くで見ることには変わりない。
なんなら部屋にいると全て近くにあるのが悪いと言われているんです。』


スマホやタブレットが直接的な原因ではなく
それらがあることで、外に出なくなるのが原因ということが言われているそう。



++ Until now ++

窪田さんの「一番嬉しかった時。」
というキーワードで過去を振り返っていきました。

それは20代の大学院生の時に
世界で初めて緑内障の原因遺伝子「ミオシリン」を発見した時。

『当時、教科書に載る仕事をしたいと思っていて。
緑内障の原因遺伝子を「ミオシリン」と名付けると
未来永劫、そのものは将来ずっと言われ続けるようなことになるので
そういうものを発見したいなという興味本位なところがあって
それを頑張ったというところです。』

「ミオシリン」を発見した当時は
緑内障という病気を解明し、
治療法が見つかり、緑内障がなくなると思っていましたが
現在までそれほど治療薬の研究は進んでおらず、
原因遺伝子が発見されるのと、治療法が見つかるのは
全く別次元の大変さがあるとよくわかったとのこと。

そういった中で、何十年と続く緑内障の研究よりも
ご自身が眼科医である以上は治療法に関わりたいということで
あらゆる目の病気の原因となり、
一番数の多い近視に関心が移っていったそう。

近視はライフスタイルによって悪くなると言われいますが
進行スピードを遅らせる治療法は出てきているとのこと。
そんな近視の進行を遅らせるものとして、
窪田さんは「Kubota Glass」というものを開発されました。

アメリカで起業された窪田さん、
当時、アメリカに住まれており、目の難病を治療する飲み薬を研究され
その研究成果をもとに起業されました。
アメリカは医学や生物学の研究費は日本の10倍以上。
それだけお金があると興味深い研究もたくさん行われ、
その中には社会実装が可能な技術も生まれてきやすい。
その分、起業され会社がたくさん生まれてくるのも
アメリカが圧倒的なんだそう。

研究もしやすく、起業もしやすいアメリカですが
日本でも、どうしたら研究や、起業しやすい環境になるのか
窪田さんに伺ったところ・・・

『終身雇用制で安定を求める方が多いと難しいです。
ベンチャーって冒険なので
ほとんどの会社が5年後には潰れている状況を
楽しめる環境がアメリカにはあるんですよ。
なぜなら終身雇用が元々ないので
大企業に勤めても5年後に、その部門がなくなって
リストラクチャリングされる可能性もあるし
ベンチャー企業が大企業と比べて職の安定性で不利ではないんです。
だったらベンチャーに行って面白いことをやろうという人もいるわけです。
AIテクノロジーの会社に行ったり、
ソーシャルメディアのテクノロジーに行ったりして
あれだけの産業が生まれてきているわけですよね。』

++ From now on ++

これからの未来、
近視を病気だと国が認定し、国家的に予防するような政策導入され
近視が減っていくのを願っていると窪田さんはお話ししてくださいました。
具体的には学校教育の中で、
外遊びを2時間以上するということを実施してもらいたいとのこと。

実際、窪田さん自身、1日平均1万歩以上歩いているそうで
移動も基本的には歩きか、自転車を使い、
外に出る習慣をつけているそうです。

眼精疲労対策として「20-20-20 ルール」というのを
米国眼科学会議が推奨しているそう。
20分に一回、20秒間、20フィート先(5〜6メートルくらい)を見て
目を休めましょうという意味。

これからの季節、花粉症により目が辛いといった方が多いと思われますが
やはり、目を擦るのは良くないので、
花粉予防のメガネをするとか、花粉が少なくなったら外に出るなどして
目を守るようにした方が良いとのこと。

目薬も病気のために使うなら意味があるそうですが
何もないのに目薬を使うのはあまり好ましくないとのこと。

『体が悪くないのに薬を飲むのと一緒で
化学物質を目に入れるということなので
今よりも健康になるということはない。
何もしない自然が一番良いんですよね。
感覚的にスッキリするので目薬を使う方がいますけど
目にとっては涙が何よりも目の健康に大事です。
それが薄まってしまうとか、人工的なものに影響を受けてしまうので、
本来は自然の状態が良いです。』

最後に窪田さんの今後の夢について伺いました。

『今開発している「Kubota Glass」のようなものが
世界で普及して、多くの人が
外に出なくても近視にならない世界が作れたらいいなと思っていますし
子供の失明につながる病気の医薬品も今開発しているので
それも一刻も早く世の中に出して
失明に瀕したお子さんを助けられたらなというふうに思っています。』

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