2016.01.17

デヴィッド・ボウイ
今日は、デヴィッド・ボウイについて、語ります。

イギリスが生んだ偉大なロックスター、デヴィッド・ボウイ。

みなさんも、ご存じのように、1月10日、がんのため亡くなりました。死の2日前、69歳の誕生日だった1月8日に、ニューアルバム『★(ブラックスター)』をリリース。


70年代の、僕の青春時代のスターがどんどん他界しています。ボウイの訃報を聞いた時に、涙が出て来てきました。すごく悲しくて。他にもいろんなスターが亡くなっているのに、なぜ今、涙が流れるのだろうと。

この仕事をしてきて、これまで色々なすごい人に会ってきましたが、ボウイには実際に会ったことがありません。音楽とコンサートだけでした。なのに、この悲しさはなんだろうと。

芸術家というのは、音楽家だけでなく、陶芸家でも画家でも……自分のメディアというものがあります。それが歌だったり、演奏だったり、画力だったり。

本当のアーティストと呼ばれる人たちは、術そのものではなく、あくまで人間性。自分の術を介して、自分の人間性のハートを伝えていると思います。ボウイは、その“人間性”が豊かだった。僕は、ボウイの人間性に感銘を受けていたと感じました。

デヴィッド・ボウイは時代によって音楽性を変えてきました。カメレオンと呼ばれていたけれど、どんな時代でも、ボウイはすぐにボウイだとわかる。UKのアーティストはみんなカメレオンです。ストーンズ、ロッド・スチュアートもそうでした。みんな時代に合わせていました。

ボウイがすごいところは、流行る前に自分で止めている。封印する。自分でどんどん先に行っている。ボウイの音楽は、常に挑戦。現状維持や無難ではない。ものすごく繊細だけれど、恐れ知らず。

こんな人間が他界してしまったのは、僕にとっては寂しい。


ボウイの意志により、葬儀は行わず、ひっそりと火葬されたと言われてます。最後まで自分の美学を貫きました。