2023.04.09

世界のサカモトの訃報に世界中から追悼の声が寄せられています。
2020年6月に直腸がんと診断され、晩年はがんとの戦いが続いていた音楽家の坂本龍一さんが3月28日に都内の病院で亡くなりました。享年71でした。死因は明らかにされていませんが、がんは両方の肺などにも転移し、ステージ4と公表されていました。

坂本龍一さんの訃報が伝えられたのは4月2日日曜夜のことでした。1月に盟友の高橋幸宏さんが旅立ってからわずか2ヶ月。あまりにも急な別れに多くの人が悲しみに打ちひしがれています。

イエロー・マジック・オーケストラで活動をともにした細野晴臣さんは3日の午前1時すぎ、1枚の灰色の画像をインスタグラムに投稿しました。

一切のコメントのない灰色の投稿は、幸宏さんが亡くなったときに坂本さんがインスタに投稿したときと同じです。

偉大な才能の喪失にショックを受けた多くのアーティストたちがSNSなどに追悼のコメントを寄せています。


YMOのメンバーとかかわりの深かったJAPANのデヴィッド・シルヴィアンは背を向けた坂本龍一のモノクロの写真と、ジャック・ギルバートの詩の一節を投稿。「イカロスが落下したのは失敗したからではない。自身の成功の終わりに近づいただけの話だ」

マドンナ
「偉大なる坂本龍一が私たちのもとから去ってしまった! 彼と一緒に仕事ができて光栄でした」。坂本龍一さんはマドンナの曲『RAIN』のMV内で監督役として出演しています。

ブラジル音楽のレジェンド、カエターノ・ヴェローゾ
「サカモトと一緒にレコーディングし同志になれたことは誇りだ。世界は心を込めて、世界が生んだ最高の音楽家の一人に別れを告げる」

BTSのメンバーSUGAは「先生へ。お別れの旅が平穏なものでありますように」と追悼し、戦場のメリークリスマスをピアノで弾く動画をアップしていました。

SUGAは映画『ラスト・エンペラー』を観た12才のときから坂本龍一に憧れ、最近になって、熱烈なラブコールで坂本との対談が実現。その模様は今月21日にディズニープラスで配信されるドキュメンタリーで見れるそうです。

THE ROOTSのクエストラブ
「坂本龍一、あなたの才能に感謝します。また一つ大きな力がこの星を去るのを見るのは悲しいことです」

ほかにもベック、REMのマイケル・スタイプ、ロザリア、ジョニー・マーなど音楽ジャンルを超えた多くのアーティストたちが追悼を寄せていました。日本国内でも音楽、映画、文学、アート、さまざまな分野の著名人が追悼の意を表してます。

映画『戦場のメリークリスマス』で共演した北野武さんは「ただただショックで残念で仕方がなく言葉もありません。『戦場のメリークリスマス』の大島渚監督が亡くなってデビッド・ボウイが亡くなって、坂本龍一さんが亡くなって仲間がみんないなくなってしまい、『戦場のメリークリスマス』は俺だけになってしまいました」と自身のサイトでコメント。

大貫妙子さん
「音楽を創る作業、作曲は身を削るような仕事です。自分の中にあるたくさんの感情、喜び哀しみを含む多様な事実と真正面から向き合わなければ、蓄積してこないものであって。だからこそ、美しいメロディーは人の心を動かすのだと思います。そうした珠玉の作品を、私達に残してくれました」

元妻でもある矢野顕子さんは「親愛なる龍一さん、もう一度ピアノで連弾しませんか。あなたがいなくなり、とても寂しい」と別れを惜しみました。

坂本龍一さん、ありがとう。そして安らかにお眠りください。