2004.10.17

Lição de baião/ Adriana Partimpim

彼女、本当は”アドリアーナ・カルカニョート”というちゃんとした名前があるんですが、なぜこの”パルチンピン”という名前を付けたのかと言うと、今回子供向けにアルバムを作ったんです。
1965年10月3日生まれの39歳で、アルバムを8枚程リリースしており、出せば必ずチャートのナンバーワンになるミュージシャンです。
他にみなさんご存知なブラジル・ポップス界のスターに”マリーザ・モンチ”というミュージシャンがいますが、ほぼ同世代で、音楽の傾向もある程度共通項があります。
彼女は自分の曲も凄く凝っていて、内容の濃いアルバムが多いいです。
例えばアルバムタイトルに『パスワード』と付けたりするぐらい、非常に真面目なんですけれどちょっと堅いイメージがありました。
今回はジャケットでわざと素顔を出さずに仮面をかぶったりして、今までのイメージを一度ブチ破りたかったのでないかと思います。
この”パルチンピン”という名前は、彼女のお父さんが昔つけたあだ名らしいんですね。
お父さんがジャズドラマーだったそうで、今回は小さい頃にお父さんが持っていたジャズのLPをひっぱり出して聴いていた中から選んだ曲もあります。
何年か前に彼女のマンションに泥棒が入っちゃって、CDやレコードのコレクションを取られちゃったらしいんです。
そんなこともあり、おそらくお父さんのところへ行って、昔のアルバムなんかを懐かし気に聴いていたところ、「こういう曲をちょっとカバーしてみようかしら?」って思ったようですよ。
このアルバムに関しては10曲すべてがカバーで、古い曲になると1937年のリオのカーニバルのテーマ曲があったりと、非常に曲の取り上げ方が面白いんです。
彼女が言うには、子供向けっていうのはノンジャンルであり”私をジャンル分けしないでくほしい”ということで、今回はお面を被って、名前も変えて、”パルチンピン”としてデビューしました。
Adriana Partimpim・公式ページ

ケペル木村

1986年に初めてブラジルへ渡り、帰国してから(有)中南米音楽でブラジル盤CDの輸入を担当。
コミュニティカレッジの講師、イベントの企画や主催、フリーペーパー『MPB』の編集発行人、CDのライナーノーツの執筆、レコード会社のライセンスのコーディネート、コンピレーションCDの選曲・制作など、ブラジル音楽に関することなら、何でも手掛けている。
ブラジルアーティストトの交流も深く、自身もパーカッショニスト、DJとしても活躍。