2005.07.03

Toura Toura / DJ ChebiSabbah

実はフランスとモロッコに行ってたんですよ。
去年モロッコのグナワというジャンルの音楽フェス『グナワ・フェスティバル』を取材に行って、日本の色々な雑誌にその記事を書いたんですが、その雑誌を送っておいたら、今年の5月の中旬位に「今年は来るのか来ないのか、はっきりしろ」といった内容のメールが来たんですよ。
行くにしても大変じゃん、って思ってたら「招待だから、パリまで来てくれれば、そこから先の宿代も飛行機代もこっちて持つから」といった返事が来たんですよ。
いやーエキゾ音楽聴いておくもんですね(笑)。
手元に今年の豪華なパンフレットがあるんですが、メインはユッスー・ンドゥールとか、ヨーロッパのジャズとか出てたりするんですが、”グナワ”という地元の生トランス音楽(音的ではなく、トランスしちゃう人がいっぱいいる)も演奏されます。
で、このパンフレットを見て驚いたんですが、後半に僕の書いた記事が日本語のまま「日本でも紹介されました!!」みたいにガツンと4ページにわたって紹介されているんですよ。
おかしいのが地元のグナワ・ミクスチャー・ロックバンドみたいなのを取材して、”音はちょっとダサめ”って書いちゃったんですが、「俺のこと何書いているのか教えてよ」って言われたんで、日本語でよかったなーって思いました。
で、今日紹介するのはDJブースに来ていたDJ暦40年以上のフランス育ちのアルジェリア系、今はサンフランシスコにいるChebi Sabbahという人です。
彼の新しいアルバムの中で、グナワを一曲やっているんで、ちょうどこのフェスティバルでも今年できたDJステージでプレイしていて、僕がライナーを書いていたんで、話をうかがうことができました。
そのアルバムは僕も知らない様なモロッコの地元の宗教音楽を女性に歌ってもらって、それをビル・ラズウェルとかと一緒にクラブっぽい音にしています。
本当はその女性演奏家達の名前にすべきなんじゃないの?と思うんですが、プロデューサー的な立場で彼がからんでいるので、彼名義のアルバムになったようです。
Chebiとはアラビア語で”兄貴”、Sabbahは”朝”。
ということで、日本語にするならば『モーニング兄貴。』といった感じでしょうか?
グナワ・フェスティバルは毎年盛り上がりをみせていて、今年は4日間で40万人ぐらいお客さんが来たそうです。
実はフリーライブなんですよ。
人によっては”モロッコのウッドストック”って呼んでいる人もいるらしいです。

サラーム海上(うながみ)

アフリカ、中近東など、第3国のHOUSE,HIPHOP TECHNOシーンにめっぽう詳しいツワモノライター。
大学卒業後、音楽ソフト販売、フランス留学、2年半の放浪、インディーズ系レコード会社、クラブ運営会社を経て「よろず風物ライター」としてTVブロス、ソトコト、STUDIO VOICE、MUSIC MAGAZINE、流行通信、フィガロ、PEN、SWITCH、POP ASIAなど連載多数。