2006.11.12

THE DECISION / THE YOUNG KNIVES

今回ご紹介したいのはTHE YOUNG KNIVESというイギリスの3人組新人バンドです。
ここ4年くらいUKロックって凄いブームじゃないですか。
正直言って…身なりもビシッとした格好良くてクールなUKロックに飽きたりしていませんか?
私は微妙にそういうものに飽き気味で、これからは「カツアゲ・ロック」を提唱しようかと思っていて…「カツアゲ・ロック」と言ってもカツアゲをするロックではなくて、カツアゲされるロックなんですよ。
これまでUKからはわりとケンカも強そうで、おしゃれで、カツアゲしそうなロックばっかり流行ってたんですけども、この3人組は写真をご覧になってほしいんですが、出で立ちからちょっと面白くて、こんなこと言っちゃなんですけど…ブサイクじゃないですか(笑)
でもねブサイクだからこそ、スルーできない魅力を放っていて、音も声もメロディーもわりとキュンキュンと母性を刺激するようないい魅力を持ってるんですよね。
THE YOUNG KNIVESというイカしたバンド名なんですが、割と知性はあるみたいで「YOUNG KNIVES」という言葉もスコットランドの古い本からとったとか、12月にアルバムが出るんですがそのタイトルも現代美術の未来派宣言という言葉からとったりしてるらしいんですよ。
実は音楽的には凄く出自が正当で、プロデュースは最近のニューウェイヴ・リバイバルの一番手と言われているTHE FUTUREHEADSとかをプロデュースした元GANG OF FOURのアンディ・ギルなんですけども、彼が力を入れてプロデュースしていて、+ポストパンクと言ってもいわゆるUKの早い感じのポストパンクよりは、TALKING HEADSのようなアメリカの知的なソフトパンクに、XTCみたいなUKのひねったメロディがのってるという感じですかね。
ありそうでちょっとない感じなんですよね。
先ほどからブサイク、ブサイクって言ってますが、音の方はかなり自信をもってオススメいたします!
ということで、今回私はカツアゲ(されそうな)ロックを提唱したいんです。
すでにUKでアルバムが出てるんですけども、日本ではアルバム「VOICES OF ANIMALS AND MEN」が12月6日にリリースされますので、是非チェックしてみてください!

妹沢奈美(せざわなみ)

'71年、鳥取県出身。現代美術史を学ぶため英国留学中にロックやダンス・ミュージックに出会い、早稲田大学第一文学部卒業後は音楽雑誌の編集部に入る。
その後フリーとなり、雑誌などの取材記事やライナーノーツなど執筆活動を続ける。
これまでに取材したUKミュージシャンはオアシス、コールドプレイ、アークティック・モンキーズ、ザ・リバティーンズ、モグワイ、ブライト・アイズなど多数。