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前回このコーナーでもご紹介したOASIS繋がりになるんですけど、97、8年くらいに日本でもOASISフォロワーのバンドがいくつか出てきたんですよね。 例えばNORTHERN BRIGHTとかWINOとか・・・で、今回ご紹介したいのは、そのWINOというバンドのギタリストだった久永直行くんが、解散から5年を経てソロアルバムを作りまして、これが本当に凄く良いんです! WINO解散から5年間、彼は何をしていたかというと、レーベールを作ったり、俳優のオダギリジョーさんと幼友達で彼のバンドを一緒にやって曲提供をしたり、NUMBER (N)INEという洋服ブランドのデザイナー、宮下貴裕さんのバンドでギタリストをしたりしていたんですね。 そして満を持して今回初のソロアルバム! このアルバム、どこかコンセプチュアルなところがあるなと聞いてて思ったんですけど… 無理矢理かもしれませんが、中国地方っぽいアルバムではないかと。 私、中国地方の鳥取県米子市出身なんですけど、久永くんが岡山県津山市出身なんですね。 岡山県津山市と言えば、横溝正史著「八つ墓村」の舞台になった場所だったり、それから先ほどお話にも出たオダギリジョーさんの出身地だったり、わりと独特なダークで渇いていて凄く行き場のない、でもそれが嫌な感じじゃなくて、それはそれとして認めているという雰囲気が音からも出ていて、 ポップなんだけど、どこにも行き場がない…けどそれが閉塞感じゃなくてただそこにある感じを「中国地方サウンド」と名付けてみました。 中国地方の方だけじゃなくて、もしかしたら、そういった地方から出てきて東京で暮らしている方で、東京に長年住んでいるんだけど距離を感じていたり、ぴったりハマるものを感じられない人は、この独特な浮遊するサウンドにピンとこられるんじゃないかなと思います。
私、普段は洋楽のライターなんですけど、実はこの作品でライナーを書かせていただいているんです。 邦楽のCDって普通はあまりライナーついていないんですが、今回このアルバムでライナーを後書きとして使いたいからみたいな感じでご依頼がありまして、それくらいコンセプトがあるんだなと思いました。 久永直行、初のソロアルバム「黒猫殺人事件(上)」10月22日リリースです! OASISフォロワーとして知られたWINOというバンドで音楽をやり始めた男の子が、どういう風に成長していったかがこのアルバムに入ってます。 実はこのアルバム、個人的に今年のベスト5に入るくらい好きで聞いているので、是非皆さんにも聞いていただければと思います。 妹沢奈美、激押しです!!
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'71年、鳥取県出身。現代美術史を学ぶため英国留学中にロックやダンス・ミュージックに出会い、早稲田大学第一文学部卒業後は音楽雑誌の編集部に入る。 その後フリーとなり、雑誌などの取材記事やライナーノーツなど執筆活動を続ける。 これまでに取材したUKミュージシャンはオアシス、コールドプレイ、アークティック・モンキーズ、ザ・リバティーンズ、モグワイ、ブライト・アイズなど多数。 |
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