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Imidiwan Ma Tenam / Tinariwen feat. Nels Cline |
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今回ご紹介するのは、砂漠のブルーズ、Tinariwen(ティナリウェン)の新作です。 サハラ砂漠の片隅から世界中のロックンローラー達をシビれさせる、マリ共和国に住むトゥアレグ族を代表するグループ。 彼らは、これまでにもカルロス・サンタナやロバート・プラントと共演したり、ローリング・ストーンズの前座をやったりしていたんですが、今年フジロック三日目のFIELD OF HEAVENに出演しました。 僕は彼ら目当てで行ったんですけど、なんと行ってみたら、ヴォーカルのイブラヒムが病欠! 「それじゃミック・ジャガー抜きのローリング・ストーンズじゃないか!」と。 残りのメンバーでも凄くリズムがいい演奏を聞けたんですけど、やはり主役がいない感じはしてしまいましたね。
そんなことを忘れさせてくれる新作アルバムがフジロック後の先月届きました。タイトルが『Tassili(タッシリ)』。 砂漠の中に宇宙人みたいな壁画が描いてあるタッシリ・ナジェールという場所があって、そこにポータブルな録音機材を持ち込んで録音したアルバムです。 今まで彼らはエレキギターを使ってたんですけど、今回はアコースティックギターをメインに制作してます。 トゥアレグ族というのは、遊牧民なので、アフリカ諸国が独立した際にも自分の国を持てなくて、アルジェリア、リビア、モロッコ、マリ、ニジェール、ブルキナファソに分断されて住んでるんですが、自分たちの権利がなかなか手に入らなくて、反政府運動を何度か行なって、その結果、80年代には国を追われて、マリやニジェールのトゥアレグ人たちは、今話題のリビアに行って、あのカダフィー大佐の軍事キャンプに参加していたらしいんですよ。 でも彼らは軍人ではないので、そこで軍事訓練の代わりにギターに出会って、国に帰って、ギターを片手に反抗の歌、自分たちのアイデンティティの歌を歌い始めたんです。 トゥアレグの人たちにとって、ギターは自由と反抗とアイデンティティを象徴する楽器なんですね。
今回ご紹介する曲は、新作アルバム『Tassili』から「Imidiwan Ma Tenam(邦題:友よ、君はなにか言うべきではないか?)」 これは今年の僕のベストアルバムに決まりです!是非、皆さんも聞いてみてください! |
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アフリカ、中近東など、HOUSE,HIPHOP TECHNOシーンにめっぽう詳しいツワモノライター。大学卒業後、音楽ソフト販売、フランス留学、2年半の放浪、インディーズ系レコード会社、クラブ運営会社を経て「よろず風物ライター」としてTVブロス、ソトコト、STUDIO VOICE、MUSIC MAGAZINE、流行通信、フィガロ、PEN、SWITCH、POP ASIAなど連載多数。
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