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今回ご紹介するのは、田中茉裕(たなかまひろ)という天才!異才!奇才!と言っても差し支えのないシンガーソングライターです。 彼女は、一昨年に僕が審査員をつとめた、EMI主催のオーディション『REVOLUTION ROCK』のファイナリストとして登場しました。 結果、彼女はファイナリストではあったんですけれど、グランプリをとったわけではないんです。 今日は、彼女の才能をお伝えしたいと共に、オーディションで僕ら審査員は、アーティストの何を見ているのかをお話したいと思います。
僕ら審査員というのは、アーティストの今、そのままを見ているわけではなくて、そこから伸びていく、余白や、伸びしろのようなものをイメージするんですね。 即戦力で勝負できる「安全」なアーティストをデビューさせて、無難なヒットを出すよりも、 何か新しいものを生み出してくれる、未完成の才能だったり、それを予感させるアーティストをオーディションでは選びたいと思ってます。 ちなみに僕が選ぶ基準で3つの法則があります。 1.声 これは作り出せない天性のものですからね。 2.顔 言うと語弊があるんですけど、表情・オーラも含めて、やっぱり素晴らしいアーティストは、どんなときにもパフォーマンスに表情や惹き付ける魅力があるんです。 3.楽曲 曲であったり、歌詞であったりですね。 この順で選びます。 余白のパラメータは人それぞれによって違うと思うんですけど、僕は大体そういうところを見ています。
最近のオーディションの傾向として、グランプリを取ってもすぐにデビューに直結しないケースが多くなりました。 時代的にも「デビュー = ゴール」ではなく、 「デビュー = スタートライン」として、アーティストを育成したり、アーティストを選ぶということが、我々審査員がいつも気にしていることです。 今、卒業・入学のシーズンですけど、皆さんに伝えたいのは、卒業というのは単純にゴールではなく、ここからスタートなんだよ、と。 それがオーディションにも当てはまってるかなという感じですね。
そこで、今回ご紹介したい田中茉裕さんの登場なんですけど、 そもそも『REVOLUTION ROCK』は、わりとロックなオーディションで、バンドがいっぱい出るんですね。 彼女は、バンドだらけのオーディションの中で、ピアノ一本の弾き語りで挑戦してきました。 しかも出番はトップバッター、その重圧の中で、彼女が歌い出したら、会場の空気が一発で変わったんです。 今のJ-POPにありがちな、背中を押そう!みたいな気負いも無いし、 心の中にある言葉と身体の中にあるメロディーみたいなのを吐き出してるようなところに未完の才能を感じました。 どこの枠にもはまらない彼女の歌声を是非聞いてみてください。
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‘64年、アメリカ、ニューヨーク生まれ。辰年。 ‘89年、音楽プロデューサー、ベースプレイヤーとして活動を始める。これまでに椎名林檎、平井堅、スピッツをはじめ Do As Infinity、スガ シカオ、アンジェラ・アキ、JUJU、秦基博、チャットモンチー、エレファントカシマシ、WEAVER、植村花菜、ハナエ、MIYAVI VS KREVAなど 数多くのアーティストのプロデュース、アレンジを手がける。 ‘04年夏から椎名林檎らと東京事変を結成。 ‘12年閏日に惜しまれつつも解散。 ‘07年、第49回日本レコード大賞、編曲賞を受賞。 ‘09年には自身初の主催イベント「亀の恩返し」を武道館にて開催した。
◎亀田誠治 twitter: http://twitter.com/#!/seiji_kameda
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makotoya : SEIJI KAMEDA Official Website |
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