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先月、グラミー賞を観に行ってきたんですが、そこでちょっと刺激を受けたことがあって、今回僕がレコメンするのは、アル・ヤンコビックです。 今回、グラミーの最優秀コメディ・アルバム賞をアル・ヤンコビックの『Mandatory Fun』が受賞したんです。 これが本当に面白い!このアルバムは最高です! 収録曲のうち8曲がミュージック・ビデオ付きで、そもそも昔のマイケル・ジャクソンのパロディーの時もそうですけど、ミュージック・ビデオありきの人ではあるんですが、今回はこのミュージック・ビデオも秀逸でYouTubeで大人気になっちゃって、なんとこのコメディ・アルバムが、全米ビルボードのトップ200チャートで1位になっちゃったんですよ! コメディ・アルバムが1位になるのは、1963年以来の快挙なんですって!
『Mandatory Fun』に収録曲されている曲を紹介しますと・・・ ファレル・ウィリアムス『ハッピー』のパロディで『タッキー』 タッキーとは「ダサい」とか「ケバい」とか、あんまり素敵じゃないという意味。 このミュージック・ビデオでは、アメリカのコメディ界の有名人たちがダサい格好で次々と登場して踊りまくっています。 ちなみにファレルは、アル・ヤンコビックのオファーを受け、「パロディーをしてくれて光栄だ」と喜んで許可したそうです。 そして、ロビン・シック『ブラード・ラインズ〜今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪』のパロディで『ワード・クライムズ』 「言葉の犯罪」というような意味で、世の中にはびこるお粗末な文法やスラングを明るい調子で皮肉っているみたいな感じですね。 これもミュージック・ビデオがむちゃくちゃ面白いので是非動画サイト探して見てみてください! そして、Lorde『ロイヤルズ』のパロディーで『Foil(ホイル)』。 あんなシリアスな曲が、もうめちゃくちゃでしょ?(笑) 英語がわからない人でも、映像があるから充分楽しめるんですよ。
元々、アル・ヤンコビックは80年代のMTVなどのミュージック・ビデオの幕開けと共にブレイクしたので、映像ありきなんです。 YouTubeなどの動画サイトが人気の今、またアル・ヤンコビックに追い風が吹いていて、いい時代がきているんですよね。 それを子供の頃から見ていたであろう、ファレルは「パロディーしてくれて光栄です!」と言っているんだと思います。 パロディーをする前にちゃんとお伺いも立てて、権利も得ているので、問題ないということです。
今回のグラミー賞で感じたのは、こういうパロディーアルバムを、ちゃんと音楽作品として評価するグラミー賞というアワードの存在。 どんなジャンルにも光をあてて、アーティストが手間隙かけて作った作品が、ちゃんと評価され、ちゃんと表彰される、サム・スミスとアル・ヤンコビックが同じ土俵で戦える、そんなアメリカの音楽文化の懐の深さを今回は感じましたね。 絶対に人を幸せにする多幸感溢れた作品です。自身を持ってオススメします!
でも、僕らの世代からしてみると、アル・ヤンコビックというと、やっぱりマイケル・ジャクソンのパロディーですよね。 「今夜はビート・イット(Beat It)」のパロディーで「今夜もイート・イット(Eat It)」。ひたすら食う!っていう(笑) 知らない世代の方もいらっしゃると思うので、アル・ヤンコビックの魅力を堪能していただきたく今回はこちらをご紹介します!
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‘64年、アメリカ、ニューヨーク生まれ。辰年。 ‘89年、音楽プロデューサー、ベースプレイヤーとして活動を始める。これまでに椎名林檎、平井堅、スピッツをはじめ Do As Infinity、スガ シカオ、アンジェラ・アキ、JUJU、秦基博、チャットモンチー、エレファントカシマシ、WEAVER、植村花菜、ハナエ、MIYAVI VS KREVAなど 数多くのアーティストのプロデュース、アレンジを手がける。 ‘04年夏から椎名林檎らと東京事変を結成。 ‘12年閏日に惜しまれつつも解散。 ‘07年、第49回日本レコード大賞、編曲賞を受賞。 ‘09年には自身初の主催イベント「亀の恩返し」を武道館にて開催した。
◎亀田誠治 twitter: https://twitter.com/seiji_kameda |
makotoya : SEIJI KAMEDA Official Website |
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