2021.08.01

DEAD END〜LOVE FLOWERS PROPHECY feat. STUTS, Campanella / ミッキー吉野

今年デビュー45周年を迎えるゴダイゴ! 70年代に洋楽のサウンドを本格的に採り入れた最重要ミュージシャンズ・ミュージシャン・バンドです。

僕は中学生の時に存在を知りました。お茶の間に登場し、ポップなのに演奏がかっこ良くて歌詞が英語。今のヒットチャートにある音楽の種になるようなものを、あの時代にゴダイゴが撒いてくれたんじゃないかと。

ゴダイゴが今のミュージックに通じる要素の一つ目は、絶妙のダンス・グルーブ。16ビートがベーシックにある、ドラムのトミー・スナイダーさんとベースのスティーヴ・フォックスさんのリズム隊。これが強力すぎた!

あの頃のシーン……日本ではニューミュージックやフォークで自分の気持ちをどう言葉で歌っていくか?というところに、ゴダイゴはいきなりグルーブという概念を持ち込みました。

僕が初めて買ったグレコのベースに、スティーヴ・フォックスさんの教則のカセットテープが付いていたんです。スティーヴさんは僕のベースの先生ですよ!

今の僕がファンクやロック、ジャズ、東京事変でやっているようなことを自由に行き来できるのは、スティーヴ・フォックスさんの教則テープがあったからじゃないかな?


もう一つは、英語歌詞。インパクトがあった。奈良橋陽子さんが作詞とプロデュースをして、タケカワユキヒデさんが歌う「ネイティブではないんだけれど、きれいな英語」。どネイティブだとリスナーとの間に距離ができたと思うんですが、タケカワさんのの美しい英語の歌詞がフレンドリーな関係を作ったと思います。


さらに、ミッキー吉野さんのプロデュース能力と先進的なシンセサイザー。シーケンサーをいち早く採り入れたり。ドラマ『西遊記』やアニメ『銀河鉄道999』、さらにCMなど、いろんなメディアで自分たちの音楽を伝えて幅広く投げかけました。めちゃくちゃレベルの高い音楽性の物を、めちゃくちゃ低く届けてくれたところにゴダイゴの偉大さがあるのでは?

去年、ミッキー吉野さんから連絡をいただきまして。70歳(古希)を迎えるにあたりオリジナル・アルバムを作りたいと。もしかしたら、自分のキャリアの中で最後のアルバムになるかもしれないので、いろんな世代の人たちとやりたいから、一緒にプロデュースしてくれないか?というオファーをいただいて。今、ミッキーさんのソロアルバムを作っているんです。

ゴダイゴの楽曲を、今のアーティストと一緒にコラボレーションしながら作っていくというアプローチをしています。

45年の月日を超えて、いろんな世代のミュージシャン……、ゴダイゴが好きだった! 親が聴いてた! メンバーが友だちだった!とか、そういうゴダイゴの持つ幅広い音楽を通じたネットワークから生まれた、僕がプロデュースしている1曲。77年の、知るひと知る名曲です。

僕がSTUTSくんに声をかけて、STUTSくんが名古屋のCampanellaくんを大推薦してくれて。コロナ禍なのでフルリモート。データ交換。本当にいい物ができました。キーボードはぜんぶミッキーさんが弾いてます。デジタルで配信中です。

亀田誠治

1964年生まれ、音楽プロデューサー・ベーシスト。これまでに椎名林檎、平井堅、スピッツ、GLAY、いきものがかり、JUJU、エレファントカシマシ、大原櫻子、GLIM SPANKY、山本彩、D-LITE、東京スカパラダイスオーケストラ、EXILE TAKAHIROなど数多くのプロデュース、アレンジを手がける。2004年に椎名林檎らと東京事変を結成し、2012年閏日に解散。2007年第49回、2015年第57回の日本レコード大賞では編曲賞を受賞。近年は自身が校長となり、J-POPの魅力をその構造とともに解説する音楽教養番組『亀田音楽専門学校(NHK Eテレ)』シリーズも大きな反響を呼んだ。

☆ミッキー吉野のプロジェクト『ミッキー吉野“ラッキー70祭”KoKi】』第2弾楽曲、『君は薔薇より美しい feat. EXILE SHOKICHI』プロデュース。秋に配信リリース予定。
誠屋 -MAKOTOYA- Official WebSite