今朝は生活経済ジャーナリストの和泉昭子さんに、生活経済の観点から解説していただきます。今朝はウィスキーのプレミアム価格高騰についてお話を伺います。おはようございます。

J.K.: まずサントリー「山崎55年もの」が、オークションでなんと8500万円の落札価格となったニュースにはびっくりしました。

和泉: 去年の1月100本限定の300万円で抽選販売された「山崎55年」。日本在住の購入者に特別な手仕事のパッケージで「美術品扱い」として配送されたという希少価値が高いものです。去年香港のオークションに出品されて落札されました。

J.K.: オークションで昔のフランスワインが高値落札と聞くことがありますが、ワインではなくウィスキーというのはどうしてなのでしょう。

和泉:蒸留酒のウィスキーは、ワインのような醸造酒と違って瓶に詰めてからの経年劣化が少ないので保存するのが比較的簡単。そのため現在手に入らない希少なブランドなどで、アートのような価値が出ることもある。

J.K.: 日本のウィスキー1本で家一軒分の価格というのはすごいですね。

和泉 :日本のウイスキーは、スコッチやアイリッシュなどと比べて歴史は浅いのですが、2000年頃から名だたるコンテストで最高賞をとるなど、世界的な評価が上がって人気となっています。輸出額も、2010年が約17億円だったのが、2020年には271億円にもなっています。国内のハイボールブームなどもあいまって、原酒が品薄に。熟成させたウイスキーを作るためには10年以上の歳月がかかるので、特に熟成年数が長かったり、生産数が少ない希少性の高いものが値上がりしています。

J.K.: そういえば最近「買取専門店」にも洋酒のカテゴリーがありますね?

和泉: 世界的にヴィンテージ商品相場はいろんなジャンルで上がっています。生まれた年のワインを飲んでみたい、というようなニーズもありますし、その昔海外旅行のお土産の定番だった高級ブランデーなどの中にも、価値が上昇しているものもあります。飲まないまま、しまい込んでいる洋酒に意外な価値があるというケースも考えられます(2~3倍になっていることも少なくない)。ステイホームの際、自宅で眠っているお宝探してみては?