J.K.: まずインターネットのクッキーとは簡単に言うとどのようなものでしようか

三上: Cookieとは、サイトを訪れたユーザーの情報を、ブラウザに保存しておく仕組みのことをいいます。一度利用したWebサービスのサイトにアクセスしたときに、システムは以前にも訪れたユーザーかどうかを認識します。訪れた日時や回数などさまざまなユーザー情報が集約されたデータで、ユーザーの趣味・嗜好を分析できるのでマーケティングの材料でした。

J.K.: 最近Webサイトにアクセスすると、クッキーの受け入れを聞かれますよね。

三上: ユーザーのほとんどはクッキーがいつどのようなデータを記録し、サーバーにどのようなデータを送信しているかを知ることはできません。つまりユーザーの意図しないところで個人情報を収集することができたんです。EUをはじめとする諸外国ではCookieを使用したプライバシー侵害が問題視され、対策が取られてきました。特にEU圏のWebサイトでは、Cookie利用に同意するかというメッセージが表示されることがほとんどです。

J.K.: 便利な事もありますが、気味が悪い時もありますよね...。

三上: 自分の趣味嗜好が勝手に広告に利用されると、ユーザーとしては不安感があるだけでなく、プライバシーが筒抜けです。日本では、これまでクッキーを利用するのに正面から規制する法的ルールはありませんでした。そこで電気通信事業法が改正され、あらかじめ同意を求める事が「望ましい」から一歩進んで、「しなければならない」となりました。ちょうど今日からその法律が施行されています。

J.K.: サイトによってIDやパスワードを記憶している場合もありますよね      

三上: これはWebサイトの会社が、利用者のIDなどの情報を自社サーバーに送る場合は例外となるのですが、やはり個人情報なので、気をつけるにこしたことはないですね...。