航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんに、解説していただきます。今朝は「事故が起きた羽田空港の運用」というトピックについてお伺いします。
J.K.: 年明け2日の航空機の追突事故の後は、大きな影響が出ましたね
鳥海: 事故当日は羽田空港での事故後、国内線は全便欠航、国際線も3本の滑走路が再開した21時半以降に運航しましたが大きな遅延が発生し、空港ターミナル内で寝泊まりしている人も多く見られました。事故後6日間は4本の滑走路のうち1本が使えない状況でした。割合で言えば1/4なのですが、実質は半分程度の能力になってしまい、4時間~5時間遅れる便も続出し、特に夕方以降の便では多くの便が直前で欠航し、Uターンラッシュにも大きな影響を与えました。事故原因については航空調査委員会の調査結果を待つ形になります。
J.K.: 世界の空港の中でも発着便の回数が第4位という過密状況ですね?
鳥海: 都心上空を通るルートが新しく追加されたことで回数は増えました。風向きによって異なりますが、4本のうち3本を常に使う運用で、特に滑走路が一番長いC滑走路が今回利用できなくなったことで、影響は大きかったです。
J.K.: コロナ禍からの回復で、インバウンドなどもまだまだ増えそうですね。
鳥海: 海外からの観光客が増えている反面、海外に行く航空運賃が高止まりしている中、日本から海外へというワケにはいかない状況です。しかし来月2月にはAir Japanがバンコク、ソウル線が導入されます。ZIPAIRも含めた日系のお得な航空会社をうまく活用することで、このあたりは変わっていくのではないでしょうか。また、最近ではコロナ前の便数にほぼ回復したハワイ線で10万円以下の航空券が増えてきました。まだまだホテル代や滞在費は高いですが、昨年に比べると少し安く行けると思います。
J.K.: くれぐれも安全な運用をお願いしたいものですね。航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんでした。