商品ジャーナリストの北村森さんに、生活経済の観点から解説していただきます。 今朝はアプリを使うアルバイト「スポットワーク」についてお話をお伺いします。

J.K. アルバイトはアプリで簡単に探すというのが一般的になりましたよね

北村: 時代背景として働く側も、求人する側も、人、時間、コストの削減効果が DXの要となるのが今のスポットワーカー市場を支えています。 利用者のスキマ時間の活用から恋愛まで、アプリ活用型のマッチングビジネスの市場は拡大しつづけていますが、特に求人をかける事業者のメリットは大きいものです。副業が認められるようになったことから、働く側としても気が向いた時に、まずやってみるという風潮もあります。

J.K. さらなる大きな転換期がやってきたという事ですが...

北村: スポットワーク大手への登録会員数は去年5月時点で1000万人超、ここにフリマアプリのメルカリが参入しました。既存サービスの月間利用者は2300万人でこの会員規模を生かす新サービスとなります。メルカリの登録情報(本人確認、口座情報)をそのまま引き継げるので、登録手続きが簡便、かつ、面接・履歴書不要。メルカリのアプリで仕事を探せる。メルカリポイントとの連携キャンペーンもあり、既存登録会員にすると利用メリットを体感しやすく、既存事業との垣根が低いのが特徴です。

J.K. 既存のスポットワークとの差別化は何でしょうか

北村: メルカリポイントとの連携がカギとなります。「メルカリ ハロ」という新しいサービスでは当面は銀行振込で給料を払いますが、今後デジタル払いを計画していて、利用者によってはこちらのほうが利便性高まる可能性も。 メルカリ側は、強力な顧客囲い込みと、効率化の両方の効果があります。今年4月からスタートした給料のデジタル払いですが、デジタルマネーの進展・さらなる定着への足掛かりとなる可能性があります。

J.K. 今後の展開はどの様にお考えですか

北村: スポットワーク関連の市場はメルカリの参入によって、さらに拡大の可能性があり、市場地図が塗り替わる可能性があると同時に、これまで利用に抵抗感があった人々をも巻き込み、スポットワークのあり方が変わるかもしれません。