第一生命経済研究所の藤代宏一さんに解説していただきます。
藤代:日本の衆院選、米国の大統領選で、経済、株、為替はどうなるのかです。
J.K.: 重要イベントが目白押しで株価も為替も慌ただしいようですね
藤代: 日本は衆院選前に政権基盤が弱体化するという懸念から株価が下落、衆院選後は、逆に政権基盤が弱まり過ぎて株価が上昇するという事態になっています。一般論では政権がしっかりしていた方が経済政策は上手くまとまるので好印象なのですが、今、市場参加者が意識しているのは、政権基盤が弱ったことで支持率回復を狙い、バラマキ型だろうが何だろうがとにかく景気を刺激する政策がとられるのではないかという期待・予想です。市場参加者が特に注目しているのは国民民主党の動静です。
J.K.: 玉木代表の発言が色々と注目されていますね。
藤代: 国民民主党の政策態度はかなり明確で、拡張的な財政政策と金融緩和路線の継続です。玉木代表はこれまでの日銀の利上げに対して批判的な主張を展開してきましたし、財政政策については、いわゆる103万円の壁を取り払うべく、所得控除額を引き上げて178万円まで所得税を気にすることなく働けるようにすると主張しています。税金がかからずにたくさん働ける、つまり減税です。またガソリン代の実質減税も強く求めています。こうした政党の存在感が増しているので、株式市場では景気が上向くとの見方から株価が回復しています。
J.K.: そして来週にはアメリカ大統領選ですが、こちらはどうでしょうか?
藤代: 日本の選挙以上に影響がありそうでうす。市場参加者はトランプさんの勝利に備える動きから株高、ドル高(円安)、金利上昇となっています。6日の日本時間に結果が徐々に明らかになってきますので、東京市場では株も為替も慌ただしい動きになりそうです。当日の為替、株がどう動いたかそこが大きく報道されるかもしれませんが、色々と混乱している中での値動きにあまり意味はないので、大きく取り扱わないのが重要だと思います。