●「テイラーノミクスからスウィフトレーションへ」(日本経済新聞)

グラミー賞歌手テイラー・スウィフトの世界ツアーが、開催地で爆発的な経済効果を生み出しています。全米ツアーでは新型コロナ禍でコンサートに飢えたファンが、高額なチケットの購入、開催地のホテルやレストラン、バーなどでの「散財」。

こうした現象を「テイラーノミクス」と命名し「観光客と彼らの財布を呼び戻し、コロナ禍の経済的打撃からの回復に役立っている」としていました。

この現象はイギリスでも起こっていて、17日に発表された6月の消費者物価指数は、前年同月比で2.0%上昇。分類別では特に宿泊サービスが前年同月比9.8%上がりました。これは6月にテイラー・スウィフトのイギリスでのライブが開催され、ホテル予約が集中し、イギリスの金融機関バークレイズの試算では、チケット代と宿泊費の合計で1人当たり848ポンド(およそ17万3000円)を支出したとしています。

このせいか17日の外国為替市場では1ポンドが1.3ドルとポンド高・ドル安で推移。想定を上回る物価上昇でイングランドの中央銀行が利下げに踏み切りにくくなる、というの観測も浮上しています。世界でインフレ波乱の芽となることから、「スウィフトレーション」というという造語も生まれました。

 ただしツアー開催地であるユーロ圏では、サービス価格高止まりの原因をテイラー・

スウィフトに求める、というのには特に欧州中央銀行総裁が慎重な姿勢示しています。