「台風に戸惑った外国人訪日客」(朝日新聞)

迷走した上にスピードが遅く、長く広く日本列島に被害をもたらした台風10号。接近に備えて事前に交通機関や商業施設が休業を決める動きが各地で見られました。閑散とする街中で戸惑っていたのが、そうした情報を得られない外国人旅行者。災害情報を発信するサービスは次々と立ち上がっていますが、どう届けるかに、課題が残っています。

台風が上陸した九州では、新幹線や在来線の大半を運休すると前夜までに発表していたものの、福岡市の博多駅や周辺の繁華街で、大きなリュックを背に土産物袋を手にした外国人旅行者たちが目立ちました。

気象庁の英文サイトで台風の進路予想は見たものの「脅威に感じなかった」。宿泊先で前夜に見たテレビ番組は日本語だったので、「台風接近の重大さが理解できなかった」。災害情報を外国語で提供する電話サービスやアプリがあっても、知らなかった。

情報が行き渡らない状況について、観光庁の担当者は「外国人旅行者はそれぞれ、さまざまなサイトを閲覧して情報を集めている」と推測。見てほしい情報をまとめた冊子やホームページをそろえても、確実にアクセスするとは限らないので、今後は「実際にどう情報に触れてもらうのか考える必要はある」とコメントしています。