環境月間、最後の金曜日となる今朝は、認定NPO法人 自然環境復元協会、事務局、五十嵐章子さんにお越しいただきました。
Q 自然環境復元協会、どのような団体でしょうか?
認定NPO法人として、3つの事業を中心に行っている。具体的には、
- 自然環境の保全。都市部に残された自然環境を保全していくためにボランティアを募って保全活動をするレンジャーズ・プロジェクト。
- 復元と維持管理、農山漁村の活性化。地方では、過疎や高齢化した地区を、都市部との交流や最小単位での活動のしくみを立て直すお手伝いをすることにより活性化を図っている。
- 環境人材の育成。最後に環境人材ですが、これは自然環境の再生活動を総合的にプロデュースできる「環境再生医」という資格者を育成・認定しており、現在まで全国で5,000名程が誕生している。
Q 団体発足のキッカケはどんなことだったのでしょうか?
破壊された自然を取り戻し、生物多様性や里山・水辺環境を回復する研究を行う研究会がもととなり、2000年にNPO法人となりました。(ちなみに、この研究会は、日本で初めてビオトープの概念を取り入れ、普及させた。)
Q 団体では「環境について、正しい知識を持つこと」も合わせて呼びかけられていますが、誤った知識が広がっている?
自然環境を守ること=木を植えること、大きく増やすこと、ではないという点は注意。健康な森や林、里山と呼ばれる環境を保つには、人間が手を入れ、利用し、自然とともに生きていくことが大切。
Q これまで、国内の自然保護に携わってこられた五十嵐さん、いまの"日本の自然"をどのようにご覧になっていますか?
都市部においても、地方においても、私たちが保全を呼びかけ、実践するよりも、自然を利用する生活スタイルが失われていくスピードのほうが速い。そのため、各地の活動への人手が圧倒的に不足している。
Q 自然を守るために私たちができることは?
東京近郊にも、地域の自然をまもるために活動している団体がたくさん存在する。ただし、いきなりそうした集まりへの参加はハードルが高い、と思われる方も少なくない。そこで団体では、気軽に参加していただける保全活動ボランティアのプロジェクト「レンジャーズプロジェクト」運営している。
「レンジャーズプロジェクト」は、1人でも、初めてでも参加しやすいように、インターネットを使ったやり取りをスタッフがとりまとめ、地域の活動団体へまとまってお手伝いに伺うスタイル。このしくみを通じ、地域の自然ひいては次世代へ残す日本の資産としての自然へと、目を向けていただけると嬉しい。
Q 最後に、五十嵐さんからリスナーへ メッセージをお願いします。
個人で無理なくできることを大切にしてほしい。自宅の庭、近所の緑地の保全活動に興味を持つことから始めてほしいと考えています。できるときにできることを結集することで、地域の自然が守られる。
さらに詳しい活動について、スケジュールが掲載されたウェブサイトへ。(「レンジャーズプロジェクト」へのエントリーも、こちらからお願いします。)