今朝は、映画から社会問題を考えるキッカケを提供されている一般社団法人JLMMから、事務局長の漆原比呂志さんをお迎えしました。
Q 漆原さんが所属されているJLMM、「映画で社会問題を考えるキッカケづくりをしている」とご紹介しましたが、詳しくご紹介いただけますか?
私たち国際協力NGO、JLMMでは世界各地の現実を知り、学ぶためのドキュメンタリー映画上映イベント「シネマ★ミシオ」を今年の4月にスタートしました。1年間、8月を除いた毎月連続で開催しています。月イチの金曜日、昼の部14時と夜の部18時30分の2回上映しています。
Q どうして、このような取り組みを始めてみようと?
世界の社会問題について関心を持つためのきっかけとして、映画、特にドキュメンタリー映画には状況をわかりやすくコンパクトに伝え、また人々のメッセージを届けるチカラがあると思います。また映画鑑賞であれば講演会やスタディツアーよりもハードルが低く、どなたでも参加しやすいのではないかと思い、できるだけ多くの方々に、世界の現状、そして日本について考えるきっかけになれば良いなと思いました。
Q どういったテーマの映画が上映されるのでしょうか?
今年度のテーマは「世界ではいま、何が起こっているのか」ということで、世界各国の特に平和・環境・人権について知り、学べる作品を特集しています。普段なかなか知ることのできないアジア、アフリカ、中東、南米など各地の紛争や難民問題、開発やジェンダーなどのテーマを取り上げています。
Q 手元に資料がありますが、これまでにも上映会がありましたが、反響はいかがでしょうか?
いま話題となっている映画として、4月に「女を修理する男」、5月に「ナディアの誓い」を上映しました。2018年のノーベル平和賞を受賞したコンゴ民主共和国の医師と、イラクで虐待から逃れた女性に密着したドキュメンタリーです。そして6月に上映した「それでも僕は帰る」は現在世界で最も多くの難民をだしているシリアのお話でした。どれも重たい内容でしたが、「同じ地球上にこんな現実があるのかと驚きました」とか「いかに自分が世界のことに無関心に生きてきたか、思い知らされました」など、とても多くの反響がありました。まずは知ることの大切さを実感させられました。
Q そして、チケット代金は社会貢献活動につながるんですよね?
チケットは一般1,000円、学生500円のお手頃な料金ですので、ひとりでも多くの方々にご鑑賞いただければ嬉しいです。この鑑賞料による全収益は、JLMMの運営と当会が行っているカンボジアなど現地でのプロジェクトのために大切に活用させていただいています。
~現地でのプロジェクトとは?
カンボジアの首都プノンペン近郊に、ゴミ収集で生計をたてている人の多く住む貧困地域があるのですが、そこに住む子どもたちの識字教育や衛生教育、地域住民主体の栄養改善プログラムの実施や収入創出のために「屋台貸出しプロジェクト」などを行っています。
Q そして、今日もこのあと午後2時と、夜に上映があるんですよね?どういった作品か、ご紹介いただけますか?
「コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~」という、こちらも大変話題になっているドキュメンタリー映画です。中米のコスタリカは1948年に軍隊を廃止して、その軍事予算を教育や医療、福祉にあて、その結果、「地球幸福度指数」が2016年に世界第1位となっています。戦争ありきで語られるこの世の中において、「平和こそ本来の姿なのだ」というメッセージに、はっとさせられます。この国と国民の勇気ある行動は、私たちを含めた全世界が、戦争のない平和な社会をつくっていくための希望のモデルになると思います。会場は六本木の「フランシスコ会聖ヨゼフ修道院1階ホール」です。ぜひご来場ください。
~「シネマ★ミシオ」の活動については、WEBサイトをぜひチェックをお願いします。