今朝は、島根県大田市で美術館の設立を目指し立ち上がった「NPO法人 文化のタネ」に注目します。世界遺産に登録されている「石見銀山遺跡とその文化的景観」でも有名な島根県中部にある、大田市。人口3万人ほどの この小さな街に引っ越してきた野島智実さんは、街に美術館が無いために 住民の皆さんが文化芸術にふれる機会が少ない。また、地元に暮らす高齢の方がお持ちになっていた貴重な芸術品を保管する場所が無い、という街の課題に気づきました。そこで2021年に「文化のタネ」を設立。街唯一の美術館を造るために活動を続ける中、メンバーから こんな意見を耳にします。
小さな美術館を作ろうということで相談していく中で「ただ物を並べるだけの美術館だと、この先やっていけないし地域に受け入れられないでは」「どんな美術館がいいのか」ということで、「地域の人の対話や交流を促す場所でないといけないんじゃないか」と意見が出ました。突き詰めていくと、今大田市には若い人の集まる場所がないっていうのと、世代を超えた交流が全くないという話があった。とある、地方の幸福と寛容度に関する調査があって、島根県は寛容性のランキングが全国最下位だったんです。で、子どもも居場所がなくて困ってるし交流もないけれども、まずは大人が他者に対して心を閉ざしているっていう現状があるので、世代も関係なく、性別も関係なく、 自分とは異なる人を受け入れる経験を詰むためにも、みんなが集まれる場所や、みんなで集まって何かをする試みが必要なんじゃないかな、と意見がまとまり、小さな美術館と、居場所カフェということで、プロジェクトを立ち上げました。
この意見を受けて 市内の高校生を対象にアンケートを実施。80%以上の学生が、家や学校以外に 居場所を求めていることがわかりました。学校だけじゃない、人と繋がることができる空間。その居場所で生まれる交流のキッカケに、アートを添えていく...。そんな、美術館が街には必要だ!この想いを全国へ発信するため文化のタネは クラウドファンディングをスタートし、支援を募っています。
私たち今、居場所にもなる・アートにも触れられる空間を作りたいと考えているんですけど、子どもたちも結構いろんな事情を抱えていて...。家庭環境にも問題があったり、自分のことよりも親や周りのことを優先する子が結構いるんだなっていうのがわかりました。まずはそういう子どもたちが、素直に自分自身のことを考えたりとか、自分の気持ちに素直になれるような時間を作ってあげたいな。そういう子どもたちを大人が「素直なままでいいんだよ」って言って受け入れて、みんなでお互いに支えあっていけるような町になっていけたらいいなっていうのが、思いとしてあります。
高校生へのアンケートでは、自分の境遇を受け入れられない、自分を卑下してしまう学生も居たそうです。この美術館が、ロールモデルと出会える場所になって自分らしさを受け入れる場所になりますように...。応援しています。「NPO法人 文化のタネ」が立ち上げたクラウドファンディング「小さな美術館×十代の居場所カフェ。ひとりぼっちをつくらない街の拠点をつくりたい」クラウドファンディングサイトGoodMorningで現在支援を募っています。