今朝は、日本に暮らす外国ルーツの女性のみなさんが安心して出産、子育てをスタートできるように支援を続ける団体【NPO法人Mother's Tree Japan】に注目します。安心して出産ができるように、、、ということは、課題としてそれが難しい状況にあるケースも存在する、ということなんですね。詳しいお話を団体の事務局長、坪野谷知美さんに伺いました。
例えば、今、世界人口の4分の1を占めると言われているムスリムの方も日本にたくさん来られていまして、インドネシアの方だったり、バングラディッシュの方、中東の方から来られる方もエッセンシャルワーカーとして、留学生としてたくさん来られてるんですけれども、食べ物の風習も違いますし、色々食べてはいけないもの、宗教上肌を見せてはいけないとかですね、色々なタブーがあるんですね。そういうところがなかなか私たち日本人はまだ馴染みがないので、そういうところも、病院一つとってもなかなか対応ができていなかったりですとか、女医さん希望だったりするんですけれど、それも叶わなかったりとか、本当に私たちが想像する以上の様々な苦労を皆さん抱えてらっしゃるという現状があります。
私たちが、思いがけないところで結構つまずいてる方もいらっしゃって、例えば離乳食のお話とかだと、「SHIRASUってなんですか。」「SHIRASU、SHIRASU」ってなんだろうって私たちも考えたシラスのことなんですね。シラスをよく食べなさいとか、赤ちゃんにあげなさいって、シラスってなんですかとか、あと、保育園の入所のお手伝いをしてて、顔色がいいですかとか、あなたのお子さんの顔色はどうですか。って言われたりとかした時に、日本人の方とまた肌の色が違ったりするので、肌の観察がすごく難しいっておっしゃったりするですね。そういうところって、私たち日本人だとなかなか気づけなかったりすることがたくさんありまして。私たちも本当に日々お母さんたちから教えられているような状況です。
言葉の壁、宗教の壁、文化の壁、、、日本が大好きで、日本で暮らすことを選択した皆さんが子育てで苦しむのは残念ですよね...。こうした課題と向き合うため、助産師さん、保育士さんを始め総勢70人近くの外国人スタッフが団体には在籍。通院へ同伴のほか、国・地域ごとの母親相談会を開催しています。
また、国や文化を超えたお母さん同士のつながりを生み出すため日本のお母さんたちを交えた 多文化共生サロンを定期的に おこなっています。
私たちの活動って赤ちゃんとか新しい命を中心にしているので、すごく繋がりやすいところがあるんですね。例えば、どこの世界の赤ちゃんでも、まず首が座るところから始まって、寝返りするところから始まってって順番は一緒ですし、どの国のお母さんも、お乳飲んでくれないとか、睡眠不足とか、悩みとか嬉しさって共通なんですね。なので、すごくこう繋がりやすいっていうところがありまして。こういうところを取っかかりに多文化共生っていうのが広がっていくと、何々人っていうことではなくて、ベトナムから来た例えばベー・ペイ君のお母さんとか、なんかそういう本当に身近な繋がりになっていって、ずっと一緒に子育てしていったよねっていう仲間になっていく。そこに外国からたくさんの価値観とかたくさんの知恵を持っている方たちなので、そういうものを混ぜこぜにして一緒に子育てをする。そうすると、もう一回多様性みたいなのが取り戻されて、日本人のお母さんたちもすごく自信を持ってくださるんじゃないかって感じているんです。そういうところが、多文化共生の中でも子育てに特化するとすごく発展的といいますか、みんなで育てようよ、みんなでこの日本で子育ての森をもう一回育てようよって、そんなムーブメントになっていったらいいなと感じています。
子育ての森を育むMother's Tree Japanの活動。ぜひウェブサイトで詳しい取り組みをチェックしてください。そして、お近くに外国ルーツのお母さん、または これからお母さんになる方がいらっしゃる皆さん。ぜひ団体の情報、シェアしてください。