今朝は、LGBT当事者と、その家族を支援するNPO法人 LGBTの家族と友人をつなぐ会】に注目します。

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家族への支援の必要性、、、例えば、子どもたちからカミングアウト(性的マイノリティであることの告白)を受けたとき。これまでの接し方で良いのか、わからなくなる。または、子どもたちが自分らしく暮らせる未来のために社会や学校と対話と続ける中、疲弊してしまう。団体では こうした課題と向き合い続ける家族が集まる交流会の開催や、学校・会社への啓発活動を実施。誰もが暮らしやすい社会を目指し、活動を続けています。

東京で理事を務める三輪美和子さんお子さんからカミングアウトを受けた経験者。当事者の悩みに触れて 社会が変わっていく必要性を感じ活動に参加されました。

私自身も、社会は男と女から成り立っているっていうことを信じて疑わない人間でしたので、もう子どもの話は本当に「そんな人がいるんだ」みたいなところからスタートしたので。まずはそういう方々と出会うっていうことからがスタートだったんですね。で、そこから子どもに連れられて自助団体に行かしてもらって、そしたら本当にたくさん当事者の方もいらっしゃって。しかもその方々が本当に辛そうで苦しんでらっしゃるんだなっていうことを目の当たりに見て、こんなに苦しんでるんだったらやっぱり味方が必要だよねって。子どもの味方だけじゃなくて皆さんの味方になりたいっていうところからスタートしたんです。

団体では2ヶ月に1度、LGBTの当事者、その家族の方が参加する交流会を開催しています。自分の家庭とは違った視点・考え方に触れることで社会、ひいては家族との関係を一歩 前に進める機会になっているといいます。

私も15年近くこの活動していますけれども、交流会に参加してくださると、他の親御さんのご意見とか当事者の方もいらっしゃるので、そういったお話を伺うことによって視野が広がるっていうんですかね、自分の子しか見てなかった狭い世界から「こんなにも違う意見があるんだな」っていうことを知ることができて、また他のセクシャリティの方もたくさんいらっしゃるので、そういった方々がどれだけ苦しい思いをしているのかっていうことを、実の子どもからは聞けない話を交流会の中で伺うこともできるので。そういったお話を自分の親子関係にフィードバックして考えて行くうちに、ご家庭に帰えられてお子さんと対峙された時に、だんだん子ども自身も自尊感情が少しずつ少しずつ高められていって社会に出ていく、あるいは自分で内在化していたフォビア(恐怖症)を克服していくっていうケースが見て取られますね。ですから親御さんはやはりなるべく視野を広げてほしい、たくさんの出会いを持ってくださいっていうことはよくお話させていただいています。

子どもたちの暮らしやすい環境を整える、、、その一歩として家族の支え、協力が必要、なんですよね。教育現場やメディアでの発信を通してLGBTQの理解が徐々に広がっている今。【LGBTの家族と友人をつなぐ会】、美輪さんが見つめている未来のヴィジョンをうかがいました。

「あ、みんないろんな人がいるんだね」っていうのが当たり前に受け入れられるような社会。そういう社会になっていれば、人の目を気にしないで、自分を偽らないで、のびのびと、ありのままの自分、嘘つかないでいい自分で暮らすことができるんじゃないか。そうすることによって初めて希望や夢を語ることができるんじゃないのかな。子どもたちには夢や希望を語れる大人になってほしいと思うんですね。現実問題として思春期の頃とか「自分とは何者なんだろう」って考えていった時に、ジェンダーアイデンティティ、セクシャルアイデンティ、どちらもそうなんですけれども、そのことですごく悩んでしまって自分は何者かわからないっていう状態になって勉強ができなくなっちゃう。そして引きこもりになってしまうとか。そういう問題が出て、非常に抑鬱状態になってしまうっていう方もいらっしゃるので、やっぱり小さい頃から伸びやかに暮らせるように、みんないろんな人がいるんだっていうことが当たり前の社会。こういうことになればいいんじゃないのかなって思うんです。

みんなが自分らしく暮らせる社会を目指し活動を続ける【LGBTの家族と友人をつなぐ会】。東京では8月に 交流会の実施を予定しています。まさに今、自分事として性の多様性と向き合っている方。団体のウェブサイトにアクセスしてみてください。

お話は【NPO法人 LGBTの家族と友人をつなぐ会】の東京理事、三輪美和子さんでした。ありがとうございました!