7月に入りましたね。いろんな月間行事があるなかで、いくつか見てみますと、今月は「青少年の非行・被害防止全国強調月間」、そして「再犯防止啓発月間」に定められているんです。

そこで今朝は、一度過ちを犯してしまった少年少女、または社会にうまく溶け込めない子どもたちを支える「BBS運動」について、ご紹介していきます。

今回お話をうかがったのは、【東京都BBS連盟】の常務理事、新井一成さん。まずはこの「BBS」という取り組みについて、詳しくご紹介いただきました。

BBS運動は「Big Brothers Big Sisters」の略でBBSとなっておりまして、大きいお兄さん・お姉さんのような立場から非行少年の友達となって、その立ち直りを助ける活動を行う青年のボランティア運動になります。基本的には、最も重い状況ですと犯罪を犯してしまって少年院に入ってしまって刑罰を受けて、そこから出所している、こういう状態の少年少女・未成年の方たちは少年院から出てきた後1番悪い仲間たちにまた引きずられてしまって、うまく高校や中学に溶け込めずにまた元に戻ってしまうということが多くなってしまいますので、そういった悪いお友達じゃなくて、良い友達として私たちが友達の代わりを行うことによって、そうした繋がりを断ち切ることによって、就業支援ですとか、そういったことを主に活動していくっていう形になります。

Big Brothers Big Sisters、、、この取り組み自体は20世紀初頭のアメリカで生まれた考え方、です。そもそも日本には 刑務所や少年院を出所された方と定期的に面会し、生活指導や住居、就職の相談や支援をおこなう保護司、という非常勤の国家公務員がいます。

ただ、保護司と少年院を出たばかりの少年少女とでは、年齢に大きな差がありお互いを理解するのが難しいケースが有る。そこで活躍しているのが、各地域のBBSに所属している 若年層のボランティアの皆さん、なんですね。都内には25の支部があり、地域ごとで青年ボランティアの皆さんが少年少女のお兄さん・お姉さんとなり、生活環境のヒアリング、学習支援、グループワークを実施。友達として、未来を築くお手伝いをしています。

こうしたBBS運動に長年取り組む新井さん。このBBS運動の意義、その必要性についてどのように捉えているのでしょうか。

BBSの発祥の地のアメリカでは『罪を償う』という観点があります。一方で日本では1回罪を犯してしまったら「前科者」だと扱いを受けてしまうことが多いです。これは社会からだけではなくて、信頼すべき家族からも受けることが極めて多い。もちろん、自分の犯した罪を忘れてしまうっていうことはできないと思いますし、してはならないことだと思いますが、それはそれとして、その人の価値・存在価値がなくなるっていうことではないので、特に少年少女、まだ若いうちはやり直しがたくさんできると思いますので、万が一罪を犯してしまったとしてもしっかり心を強く持って立ち直ってほしいと、そういう風に思っております。

近年では若年層の凶悪犯罪件数は減っている一方、特殊詐欺の「出し子」として非行に走ってしまう方が増えてきているといいます。時代によって変わっていく子どもたちを取り巻く環境。その時代に、どんな寄り添い方ができるのか、東京のBBS会では地域、青年ボランティアたちと考え、行動していく、ともお話されていました。BBS運動、全国で取り組みがおこなわれています。あなたのお住いの地域にも、きっとBBS運動に取り組む団体があります。関心をお持ちになったら、ぜひ「お住いの地域、BBS」と検索。ウェブサイトをチェックしてみてください。

東京都BBS連盟