今朝は、東京都の千代田区を中心に各地のバリアフリー情報が掲載された「まちあるきマップ」の配信、提供をおこなう【NPO法人リーブ・ウィズ・ドリーム】の取り組みに注目します。

リーブ・ウィズ・ドリームのウェブサイトを入ると すぐに各地域の「まちあるきマップ」へのリンクがあります。ここをクリック、知りたい街の情報をクリックしてみると、歩道にある段差。車椅子対応トイレ、乳幼児施設の有無。坂やスロープの情報もあるんですが、こちらには「3°」「10°」と、傾斜の角度が数値で表されています。

車椅子ユーザー、ベビーカーを利用されている皆さんを始め、多くの方の「この情報が欲しかった!」というトピックが細かく記載されているんです。これらを、実際に街で測定、マップに落とし込んでいる、というのが 団体が提供する「バリアフリーマップ」です。こうした取り組みを 13年前からスタートしているのですが、どのようなキッカケからスタートしたのか。そして、13年の間に どんな進化をしてきたのか。リーブ・ウィズ・ドリームの代表、金子久美子さんにうかがいました。

元々私はバリアフリーマップ作りへの参加をお願いされたっていう何でもないキッカケから始まっております。キッカケをくれた方は普段から付き合いのあるママ友なんですけれども、障がい者やその家族、介助者には自宅から日常よく行く場所までのルート情報を持っていることが多いんですね。そこで、個人的に持っているだけじゃなくて、そのルートを地図にしてみんなに知ってもらう、役立ててもらいたいというお話を伺って地図作りが始まったんです。私も最初は全く素人で始めたものですから、実際にどういうことにお困りになるかっていうことを当事者の方とかに伺いながら、少しずつ自分も地図も発展しているっていう感じになっております。例えば、視覚的にちょっと色に対して弱い方。赤が見えづらい、青が見えづらいとか、そういう方もいらして、その方々にも地図見ていただきたいので、カラーユニバーサルデザイン、、、ユニバーサルな色を取り入れたりとかして進化をさせているところです。

団体では「まちあるきマップ」のほかまちなかトイレ、一部地域のホテル案内や防災・バリアフリーマップの制作も進めています。これらの測定は、街で生活を送るボランティアの皆さんの協力の元、視察・調査・内容に誤りがないか "校正"をおこない、2ヶ月以上をかけてひとつの地域のマップを制作・更新をおこなっていくといいます。団体は活動のテーマに「歩きやすいまちってなんだろう?」という言葉を掲げています。この13年で 街のバリアフリーは進んだ、と活動を振り返る金子さん。では、これからの「歩きやすいまちづくり」に必要な未来の視点、どのように見つめているのでしょう。

「私たちには関係ない」と思う人を減らしていきたいと思っております。と言いますのは、移動しやすいまちづくりには、ハード面はもちろんですけれども、やはり心のバリアフリーはもっと重要と考えております。移動の大変さとか町の状況をまず気づいて、それから知っていただくことで次の行動につなげていってほしいなと思っております。気づくことによって、自分の周りの人たちを思いやれる気持ちであるとか、積極的に福祉とかに関わっていきたいなって思うキッカケになっていくと信じております。それから、その辺の理解が進んでいくと、ハードが整ってなくても、なんとか乗り切れるんじゃないかなっていうのはいつも思っております。

いつもの街、いつもの道も、よく観てみると誰かにとってのバリアがあるかもしれない。自分だけじゃない、みんなの街と想いを育むリーブ・ウィズ・ドリームの取り組み。マップの更新、制作に関わってくれるボランティアも募集中、ということで関心をお持ちの方...、そして、この夏休みに東京の市街にお出かけ予定の方。ぜひ一度団体のウェブサイトにアクセス、様々な情報、チェックしてみてください。

NPO法人リーブ・ウィズ・ドリーム