今朝は、発達障害のひとつ「ディスレクシア」についての正しい認識の普及、そして当事者・家族の支援を続ける【認定NPO法人エッジ】の取り組みに注目します。
「ディスレクシア」...。なかなか聞き慣れないかもしれません。全般的に知的発達に遅れはないものの、文字の読み書きがすらすらと正確にできない、という症状を指します。詳しいお話を、エッジの代表・藤堂栄子さんに伺いました。
発達障害で、脳の中の回路の問題なんですけれども、症状としては、すらすらと正確に読み書きができないということなんですね。で、日本語だと、平仮名、片仮名、漢字、そしてローマ字があって英語があってというすごい多くの文字種を習得していかなくてはいけないんですね。で、ひらがなだと、2年生の終わりぐらいには99.8%の人が正確に読むことはできるようになるんですけれども、すらすらとできない。だから、音読の時、たどたどしいとかいうところから始まって、書く時もスラスラと書けない。カタカナの「ヨ」を書いたつもりが英語の「E」の大文字になってしまうみたいなことがあったりということがあります。で、漢字も大変。漢字は日本は1000覚えなくちゃいけなくて、読めるんだけども、書くときとても大変だとかっていうのもあります。イギリスだと、8歳ぐらいで確定診断ができます。でも、日本は波状攻撃的に見逃されてしまうこともすごく多くて、未だにわかられてない子どもたち、大人がいます。
読み書きがスムーズに出来ないことで、学習の遅れが生まれたり、自信を失ってしまう。それが、心身の不調に現れてしまうケースも少なくない、という「ディスレクシア」。日本人口の7~8%の方が該当する、とも言われています。こうした「ディスレクシア」の学びを支えるためには、当事者はもちろん、周りの方への周知、啓発が必要です。団体では、様々な手法で 情報の普及、そして、当事者への学習支援に乗り出しています。
困り果てる前にソリューションが必要であるということで、まず気づくことのために、先生方、教師の方とか保護者の方とか、社会に対してそういう人がいるよっていうだけじゃなく、じゃあどこで気が付いたらいいの。気が付いたらどうしたらいいの。っていうのと、今、学びのビュッフェっていう考え方を広めようと思っていまして。違う学び方をすればすごく発揮できるものを持っている子たちなんですね。その音で聞いたら内容がわかる子っていうのもいるとか。書くと言ったらば、手書きでガリガリ書くのではなくスマホに音声入力したりとか、タッチタイピングで入れたりとかすればいいし、考えてることを表現する方法ってあるわけで、そういう方法があるんだよっていうのをいっぱい用意しておいて、自分でそれを選んでいけるようなことを考えております。
書くのが難しいなら、音声入力で。読み取るのが難しいなら、聞き取りで。そんな多様な学びを選択できる=「学びのビュッフェ」という考え方を広げていくため、団体では個別相談のほか音声教材の提供などにもチカラを入れています。こうした学びの先、苦手なことだけではなく得意ごとを活かして誰もが活躍できる場を作ることが団体の目標であると、藤堂さん、お話されていました。そして、来る10月を【ディスレクシア月間】と銘打って世界中で症状を学び、理解を深めていこう、という動きが活発になっているといいます。団体でもディスレクシアの周知・啓発のためさまざまなキャンペーンを展開予定です。
今回のお話は、ディスレクシアの課題と支援について【認定NPO法人エッジ】、藤堂栄子さんに伺いました。