今朝は、京都府の舞鶴市で活動する「まちづくり団体mylink」の取り組みに注目します。
人口 7万6000人。さまざまな京野菜の生産が盛んで、リアス式海岸や赤レンガづくりの町並みが映える港町、舞鶴市。素敵な街です。その舞鶴で活動する「mylink」の活動コンセプトは、『いつか舞鶴に帰ってきたい。そんな若者が増える場所に。』そう、若者の人口流出が 街の課題となっている、そうなんです。そこで団体では 市内に KATA Lab.というコミュニティスペースを設け、中学生、高校生の皆さんを対象に 街で活躍する大人と出会い、街をもっと好きになってもらうことをミッションに 活動を続けています。この取り組みがスタートしたキッカケについて、mylink代表の髙田智哉さんに伺いました。
きっかけは私自身の経験になっていまして。私も舞鶴市出身で学生の頃は「舞鶴なんてなんもないやん。早く舞鶴から出ていきたい。」そんな思いを持っていまして。実際に今もそういう思いの学生をよく聞きます。で、私自身が大学生の時に新型コロナウイルスが流行りまして、地元へ帰ってきてオンラインで授業を受ける中で「舞鶴で何ができるんだろう」と模索している中で、舞鶴の様々な大人の方と出会いました。そこで初めて、舞鶴ってこんなに素敵で面白くて、舞鶴へ思いを持っている大人の方々がたくさんいるっていうことに気づきまして。そこで私自身が「舞鶴って素敵な人がたくさんいる」」っていうことに気づいて、私も舞鶴へ帰ってきました。そして、中学校であったり、高校生の間にもっともっと舞鶴の人を知ってほしいっていう思いから、学生と地域の人をつなげる場所を作りたい。そんな想いでスタートしたのが経緯になります。
大学を卒業し、舞鶴市で高校生の教員を務めながら、街の魅力を発信している髙田さん。舞鶴で活躍する大人の皆さん、そのお仕事に触れ、ご自身が気付いた「舞鶴の魅力」を 学生の皆さんに提供しています。
今進めている商品開発としては、地元舞鶴市の文具屋さんから話をいただいて、学生が1から色を作って、万年筆に使うようなインクのデザインからパッケージからで、お店のポップまですべて一連して学生が作っています。学校じゃなかなかできないですし、その商品開発には1つの学校だけではなくて、いろんな学校の生徒が絡んでいるので、違う高校同士の子どもたちがつながっているのも、ここの大きな魅力の1つかなという風に思っています。実際に「『舞鶴には何もない』って思っていたけど、この場所を通じて舞鶴にはいろんな人がいるんだであったり、いろんな思いを持っている人がいるんだっていうのを知れたからこそ、いつか舞鶴に帰ってきたいし、帰ってこなくても舞鶴と間接的にも関わっていきたい」っていう学生の声は聞けましたね。
縦のつながりだけではなく、横のつながりも生まれているんですね。そして、子どもたちにも 街の魅力、髙田さんの想いが伝わってきているようです。一度離れた舞鶴市に帰省し、まちづくり活動に取り組む 髙田さん。KATA Lab.を通して、こんな気付きがあったといいます。
私自身、KATA Lab.をやってることは日本全体で考えたらごく一部のことではありますし、実際に私自身の中で"まちづくり"っていうのは答えがないかなと思っています。ただ、町のことであったり、未来のことをどんどんどんどん、どれぐらい考えていけるか、考えていける大人が増えるかっていうところがすごく重要かなと思っていまして。答えがないし、結果がなかなか目に見えないことだからこそ、未来を見つめ続けていくことがすごく重要かなと思っています。
mylinkの活動に参加する子どもたちだけでなく、街を想い、繋がる大人が未来を見つめる必要性。今 私たちが暮らしている街にも同じことが言えるはず、ですよね。KATA Lab.の活動、そしてまちづくりのヒントをぜひmylinkのサイトから受け取ってください。