今朝は、【認定NPO法人 スマイリングホスピタルジャパン】の取り組みに注目します。
団体では入院しながら治療を頑張っている子どもたちの病室にいろんなアート分野で活躍する アーティストの皆さんを派遣。
音楽、美術、大道芸、マジック、バルーンアート...たくさんのアートを子どもたちに直接 届ける。そして、一緒に作り上げる活動を 2012年から続けています。こうした取り組みが始まったキッカケについて。スマイリングホスピタルジャパンの代表理事、松本恵里さんに伺いました。
実は私、この活動を始める前に子どもたちが入院しながら通う病院の中にある院内学級という学校の教師をしてたんですね。その時に、教員時代に重い病気と闘っている子どもたちの毎日を見ていると、笑顔は少ないですし、楽しみっていうものを取り上げられちゃっているような現状があります。自分らしさとか自由とか、そういったものがなかなか無くなっちゃうんですね。ところが、その授業の中で、音楽とか美術とか図工とか、そういった専科の授業を受けている子どもたちの表情ってやっぱり違っていて、とても楽しそうにしているんですね。それを私は、こういう活動に特化したようなものをどんどんとこういった(入院中の)子どもたちに届けたいなっていう風に思って、活動を始めました。というのは、そのアートっていうのは、他の教科とかほかのいろんなことに比べると答えがないんじゃないですか。とても自由な発想で1つだけの答えに向かって追求しなきゃいけないとか、勉強しなきゃいけないとかって、そういうのではなくて、なんか自由な自分の感性に従って、思うままに表現したりできるアートに目を付けたっていう感じです。
今では 松本さん、そして団体の想いに共感したアーティスト、160名がボランティア登録をされています。取り組み自体も、北海道から沖縄まで。全49の病院や施設に広がって来ている、といいます。
今では 松本さん、そして団体の想いに共感したアーティスト、160名がボランティア登録をされています。取り組み自体も、北海道から沖縄まで。全49の病院や施設に広がって来ている、といいます。
「入院してたからできたね」っていう活動が多分たくさんあるんじゃないかなって思うんですね。「お友達に忘れられちゃうかな」とか「学校の勉強もわからなくなっちゃうかな。」現実として少しずつ受け止めていく中で、じゃあ今のこの生活どうやっていこうって言った時に、やっぱりせっかく入院してるんだからみたいな捉え方もいいんじゃないかなと思って。せっかく入院しての時間がちょっとあるよねっていうことで、そこの時間を自分と向き合う時間、自分の好きなことを発見する時間にも充ててもいいんじゃないっていうので、私たちが行くことによってそこが 実現できるんじゃないかなっていう場面を結構今まで見てきてます。
不安いっぱいの入院生活に、アートを添えて、少しでも笑顔、、、スマイルを生み出したいと活動するスマイリングホスピタルジャパン。松本さんはこの取り組みを通して、どんな未来を見つめているんでしょうか。
私は、病院は痛みを我慢して自分らしさを諦めなければならない、無機質で閉鎖された空間っていうような概念をぶち壊したいって思ってるんですね。誰だって、いつ病気になったり障害を負ったりするかわからないですよね。そうなると、病院っていうのは本当は身近な場所で、そんな場所を日常から切り離すことなく楽しんでいい場所にしたいっていうことなんです。病院っていうのは自分の体を慈しむ場所と考えると、そこに主体的に取り組めて、答えなど求められないような自由なアートで心を解放できれば、闘病にもっともっと前向きになれるっていう風に思うんですよね。ですので、医療現場にアートが当たり前に存在して、立場を超えて感動とか共感とか、そういったものを生むフラットな場所にすること、医療とアートの融合っていうことを訴えて広げていきたいな、っていうことがビジョンということです。
団体では、アート活動をおこなうアーティストの皆さん、そして、子どもたちにアートを届ける際に協力してくれる幅広い世代のボランティアを募集しています。
子どもたちの笑顔を生み出す活動、ぜひ繋がってください。より詳しくは、団体のオフィシャルサイトをご覧いただければと思います。