このコーナー、新年度となる来週からは10時20分ころからのオンエアになります。引き続き、今の暮らし、そして未来をつくるヒト、モノ、コトを取り上げていきますが、、、
今朝は、そんな「暮らしのメディア」をつくる介護事業所、NPO法人、みなみかぜ高津の取り組みに 注目します。
メディアをつくる介護事業所...、珍しいですよね。川崎市の宮前区・高津区を中心に地域に根ざした訪問介護事業をおこなう「みなみかぜ高津」。活動の延長で制作している冊子が、「ライフスタイルマガジン みなみかぜだより」です。
美しい風景写真。コラムに、健康にまつわる情報。そして、健康のベースとなる ご飯にまつわるトピックスをぎゅっと まとめられています。
一見、介護とはジャンルも異なる冊子の作成、、、コロナ禍からスタートしたと言います。発行に至った経緯を団体の理事、齋藤知子さんに伺いました。
コロナ禍の介護の現場は、ヘルパーもですけれどもご利用者様にとってもとても大変なもので。ご利用者様はもう他と接触なるべくしない、できないという中でヘルパーさんが来るのをとても待ってらっしゃるような状況でしたが、ヘルパーさんが来てもマスクを着けたままの会話ですとか、とても制限されているということが多くありました。あの頃は外出ができなかったので、きれいな写真とか地方の風景が載っているような、そういう目の中に入ってくる色のきれいな鮮やかな写真とか、あとお料理ですね。そういうものが目に入るといいなと思いました。そんな時に、こういうツールがあって、これの話をして、「今日このお料理を作ってほしいんだけれど」って言われたりとか、ここでご紹介している利用者同士のコミュニケーションと言いますか、この紙を媒体として「こんなことしてる人がいるんだ」っていうようなことが励みになったりとか、そういうことができるといいなという風に思っておりました。
もともと雑誌の編集に携わっていた齋藤さんがカメラマンとして活動を始めたお嬢様と二人三脚で制作を始めたという「みなみかぜだより」。冊子に映るヒトは、みなみかぜ高津が活躍する街の人々です。「近くにこんな人が住んでいるんだ。」
そんな親近感から (お話にあったように)自身の励みになったり、街に想いを寄せる団体利用者も少なくなかったといいます。コロナ禍の収束を受けて一度は発行を停止しましたが、利用者やご家族からの「また読みたい」という声が多く届き、去年10月から プロジェクトを再始動させています。
今後は、情報の発信はもちろん、他の団体とのコラボなどを通し『みなみかぜだより』を"介護・共助のプラットフォーム"にすることを目標に掲げています。
実は私自身も親を介護しておりまして、介護する側がいかに孤独感と言いますか、社会から隔絶されたような気持ちを持ってしまうかということがいつも心に引っかかっております。その中で、みんな頑張っているんだなとか、みんなもこの介護っていうことを一生懸命やっているんだなっていうことが分かるだけでとても安心するような気がしております。なので中身に関しても、今社会で話題になってることとか、もう介護ばっかりやっているからいろんなことがわからなくなってしまって世間から遠ざかってしまったんじゃないかなと思われるような、そんな気持ちになってしまうのが介護なので、そういう人たちにちょっとでも今こんなことが流行ってるよとか、こんなこと考えてる人がいるんだよっていうようなことを発信していくというスタイルはどうかということで、これは最終系ではなくて、今後どのように発展していくのかがわからないんですけれども、旅の記事を入れたり、日頃の私が感じてることをコラムにしてみたり、それから健康のこと。それからお料理のことなんかもちょっとバージョンアップした形でお届けしようという風に今取り組んでおります。特に、この高齢化社会で介護のチカラがとても必要になっておりますけれども、介護というのがどんなに辛いことか、とても内向きになってしまう現場なので、よりつながること、それから励まされること、お互いにお互いなんだよっていう気持ちを持っていただけるような社会を目指しております。
つながることで、頑張れる。そんな人の輪を広げる 「ライフスタイルマガジン みなみかぜだより」。WEBサービスのnoteで リニューアル版のアーカイブが配信されています。ぜひご覧になってみてください。
【NPO法人 みなみかぜ高津】