先週9月23日は不動産の日でしたが、「空き家問題」は日本の大きな課題のひとつです。人口の高齢化、そして地方から首都圏への人口流出などが要因となり、特に地方の空き家が増えてしまっているこの「空き家問題」。空き家の情報と、買いたい人や借りたい人とのマッチングなど、様々な取り組みが行われています。今朝は名古屋・東海エリアを中心に空き家問題の解決に一役買っている、その名も「さかさま不動産」を手がけている株式会社On-Co代表取締役 水谷岳史さんと繋がりました。
普通は物件の情報がインターネットに開示されていて、借りたい人がそれを見て連絡するのが普通の不動産サービスですが、我々の「さかさま不動産」では借りたい人の情報が掲載されていて、貸したい大家さんが選ぶ、という仕組みを作っています。
借りたい人の情報は、やりたいこと、なぜそれをやろうと思ったのか、自身の経歴、その不動産が見つかったらこんな空間を創りたい、など、我々がインタビューした内容をもとに「人の想い」を載せています。「こういうことをしたいからこういう場所が欲しいんです」という人の物語を、大家さんの心に響くように伝えるように努めております。
「さかさま不動産」を始めたきっかけは、以前、名古屋駅付近にも沢山ある空き家を借りてリフォームやリノベーションをDIYでやって、運営もしていました。その時、不動産情報に頼るのではなく、近所で顔見知りということもあり人伝て物件を探せて、思いを大家さんに伝えたら流通していない物件も借りられるんだ、という体験が出来ました。その「想い」を伝えられるようなウェブサイトや媒体があればいいな、というところから始まりました。
空き家所有者さんへのアンケートによれば「情報を提供してもいい」と思う方は15.6%しかいません。一方、無償で、または借り手や利活用方法条件次第では貸しても良いという方が45%います。つまり半数が貸したいと思っているのに情報が出ていない、というのが不動産の課題だと感じました。
印象に残っているのは、愛知県瀬戸市である方が自転車屋の店舗を作ったことがきっかけで、その周りの方々が続いて出店や開業をし、連鎖的に人々が移住したというケースです。1人の面白い方、人気者が街に入って事業を作るとかなり伝播していく、つまりは「1人が来る」ということはとても意味のあることだと実感しました。
手数料を貰っていないので収益は出ていません。変にビジネスにしない方が持続するのではと思っています。お金を貰わなくても続けられる仕組みを作ったらお金がなくても続けられます。資金面では、様々な街の広報や企画のお手伝いをしたり、行政やまちづくり業者からコンサルの相談を受けたりしています。
今後は全国展開をして借りたいと思っている方々のインタビューをしてさらに沢山の大家さんに紹介したいと思っています。
この心意気、この試み素晴らしいです。今後とも新たな展開ありましたらフォローさせてください。
「さかさま不動産」