今朝は、最新のフードテック「細胞水産業」にフォーカス!「細胞水産業」・・・まだあまり馴染みのない言葉かと思いますが、培養肉のシーフードバージョン、とでも言いましょうか、水産物の細胞を培養して、作る、という最新技術で、海洋資源の枯渇問題解消にも繋がるとして、期待がかかる分野なんです。

今日は、そんな細胞培養技術で、うなぎを「作る」ことに成功した、イスラエルのスタートアップForsea Foodsの杉崎麻友さんにお話を伺います。

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JK: 細胞培養・・・細胞を培養して・・・ということですが、改めて、どんな技術か、教えていただけますでしょうか?

堅苦しく聞こえますが、私たちの体の中でも細胞は分裂を続けて、新陳代謝が起きているように、細胞を外に取り出して、体内と同じような環境で、育てるというのが培養ということになります。細胞水産業というのは、「培養肉」のお魚バージョンです。

JK: そして、Forsea Foodsでは、うなぎの細胞培養に成功したということですが・・・

ヨーロッパウナギの細胞を培養することに成功しました。培養の方法は、肉の培養などとプロセスは似ていて、動物からもらってきた栄養カクテルに入れて育てるという流れ。ただ、水産物がどんな環境が育ちやすいかなど、まだ研究を行っている環境で、栄養カクテルの中身も研究中です。

JK:そもそも、なぜ「ウナギ」を培養することに?

最初は培養シーフードベンチャーとしてスタートしていた中で、絶滅危惧種など、人間の生活に必要なものを培養技術で作りたいというのが当社の目的なんですが、そんな中で、イスラエルでは食べないんですが、「ウナギ」に注目が集まりました。

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JK:日本の食文化にも欠かせないウナギですが、細胞培養されたもののお味は?

これから更なる分析が必要なところなのですが、実質的には、栄養価も同じで、味も同じになるところ。それを、より美味しいものにするべく研究開発を続けています。

JK:食品の安全性については?

コントロールされている環境で作られるので、微生物や病原体などは処理して行くので、安全性に関しては高いものができると思います。

JK:カーボンフットプリントとしては?

細胞培養のプロセスの中でたくさん電気を使うという部分はあるんですが、代替エネルギーを使うなどして、現在の養殖などよりもコストを下げ、環境に配慮して生産することができると思います。

市場に出るのは、数年以内に、と考えているものの、日本の法規制などが議論が進んでいる段階で、その進み具合によって時期が変わるかもしれません。

私個人の見解としては、2020年代に商品が出てくるかな、と思ってます。

JK:他の種類としては?

水産物の中で養殖がしづらい、でも今後も食べ続けたいと思われる魚種を特にターゲットとして選んで、食べる分野を確立していきたいと思っています。実はアメリカでは、マグロを作ることを目指している企業があったり・・・ウニ、マグロ、頑張ってみたいですね~

今朝は、今、関心が集まる新たな技術、「細胞水産業」にフォーカス。うなぎの細胞培養に成功したイスラエルのスタートアップForsea Foodsの杉崎麻友さんにお話を伺いました。

ヨーロッパウナギの培養に成功し、ニホンウナギの培養にも着手しているという「フォーシーズ」。杉崎さんも入社後、イスラエルに1年ほど住んでいらしたそうですが、化学に対して近く、親しみやすい環境、また国からの支援や周りのスタートアップマインドも高いというイスラエル、フードテックの発展にも、そんな環境が大きく関係しているようです。