現在お台場で開催されているSusHi Tech Tokyo2024 世界が直面する課題へ立ち向かうためのテクノロジーやアイデアが一堂に会するイベント。こちらで、注目を集めている展示の一つが「動く寿司」というもの。動く?寿司が? 全く想像できない方が多いと思いますが、実は、これ、3Dプリンターで作られたという寿司にロボティクス技術をかけ合わせたもの。今朝は、この最新の3Dフードプリント技術を手がける、山形大学の古川英光教授に伺います。

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古川先生は、3Dフードプリント技術の第一人者、ということですが、まずは、この「3Dフードプリンティング」とはどんなものか教えてください。

3Dプリンターで食べ物を印刷するという技術です。コンピューターで食べ物をデザインしてその三次元の立体形状に造形するんです。

*3Dプリンターで食べ物が作れる??形状はまだ想像がつきますが、食感・味はどうなんでしょう?原材料は何でできているんですか?

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食感や味は大切なところです!3Dプリンターのインクのところで柔らかさを変えられるので、食感や硬さを調節します。元のゲル化剤というものの量を変えると質感が変わったり、ほかにもレーザーで加熱する3Dフードプリンターも開発してまして、そちらを使うと、あぶりと言うような手法ができます。レーザーで少し固めた後、さらにあぶって・・・美味しくなったりするんですよ。

すでに様々な食材が3Dフードプリンターで作られているそうですが、実際に、どんなものが作れるんですか?

まさに現在開催中のSuSHi Tech Tokyoで出品している「動く寿司」など、寿司のネタの部分を作ったりしています。

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動く寿司は、学生と話しているうちに、食べられるロボットを作ったら・・・といった妄想が膨らんできて、それを実現したものなんですが、子供達にはすごく興味を持ってもらってます。

そして、現在の技術では、食材を粉末にすることで、長期保存ができ、それをフードプリントで再現するというものもできています。マグロやウニなども、粉やすり身を使って再現したりできるんです。

3Dプリントフード・・・まさに未来食だと思いますが、どんな活用法が考えられますか?

海洋資源の枯渇なども言われていますが、未利用魚を粉砕して、その粉から海産物を再現したり、他には、介護食として、柔らかいものなら食べられる方、嚥下に問題がある方に向けた食事を作ったり、アレルギーのある方、例えば甲殻類アレルギーの方でも食べられるエビの味や食感の食べ物も可能です。また、双方にフードプリンターがあれば、遠く離れた家族が夕食をシェアしたりすることも可能になります。研究現場などでは3年後、実際に食卓に上るのは10年後くらいを想定しています。

古川先生、ありがとうございました今朝は、未来の食の形。3Dフードプリンティングについて山形大学の古川英光教授にお話を伺いました。