女性の社会進出が当たり前となった今でも、まだまだ女性の活躍が少ないと言われているのが、板前の世界。寿司職人や日本料理の板前さん・・・なかなか女性の姿を目にすることないですよね。

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一方で、慢性的な人手不足に悩まされている飲食業界。そんな状況に新たな風を吹かせるごとく、中目黒の名店でユニークな取り組みが行われているんです。若手女性職人が板長となり手頃な価格のランチコースを提供するというもの。今日は、こちらについて、株式会社MUGEN代表取締役の内山正宏さんにお話を伺いました。

JK 初めまして、お時間ありがとうございます。内山さんが代表を務める株式会社MUGENは、居酒屋さん、焼き鳥、鮨、天ぷら、中華そばと国内をはじめ、海外にも出店されているようですが、その中でも5年連続で、ミシュラン一つ星も獲得されている「天麩羅みやしろ」、そして「鮨つきうだ」で提供されているのが、「若手特別コース」ということですね?そもそも、大将の裏で頑張っている若手さんに新たな機会を与えてあげたいということで展開を始めたのが「鮨おにかい」。そこへ向けての練習の場というこの若手特別コース。そもそもの話になりますが、なぜ、こんなに女性の板前さんは少ないのでしょうか?

寿司の業界自体が板前になるのに時間がかかる世界で、長く苦しい修業をしたくないという人も多いのと、昔から女性はちょっと体温が高いので生魚を触るお寿司屋さんには不向きだと言われてきたのもあると思います。なので、性別に関係なく、若手の活躍の場を広げたいとこういうコースを設けています。職人の世界は、この世界に入った順の年功序列。だからこそ、25歳、30歳からこの業界に入るなんてことはできないような時代が続いていました。でも、今は、30歳でお寿司の世界に入りたい、とか、38歳ぐらいでずっとパティシエをしてきた女性が寿司の技を身につけて、二刀流をやりたいなど言ってきてくれてます。

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JK そういう人たちに向けて、今の時代のやり方として始められたのがこの若手育成コース、ということですね?

はい、若い人たちにもしっかりちゃんとレクチャーをすれば、やれないことではないということと、やはり、板場に立つと未熟なわけですが、このコースを経験することで、板前の求めること、親方の立場を理解することができる。実際に人前に立って、初めてわかることがいっぱいあるので、その部分を学ぶためでもあるわけです。

実際のお客さんの反応は?

まず一つは、ほぼ原価でやってますので、それが普段親方が使用している食材と同じものなので、お客様にとってはお得感があります。後は、基本的にうちのお店をご利用いただいているお客様にお伝えしているので、そういう方ってリピートしていただけるんですよ、で、リピートしながら一人前の板前になるまでの成長を楽しんでいただいているところもあります。

他業種から飲食にチャレンジしたい人のハードルを下げることにもなっているのでは?

確かにハードルを下げることになっていると思います。あと、実際に、海外で活躍することを目標にしている女性もいたりするので、この寿司、天ぷらというのは、可能性高いんじゃないかと思います。

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女性をはじめとする、若手の板前さんの育成を応援するランチコースについて取り上げました。ご自身も板前だったからこそ、感じられた若手の気持ち。 そして飲食業界における課題。実際に、この日本食ブームの中、海外では、アラブ諸国など、 女性のお客様の対応のために女性の板前さんの需要があったりもするそう。

若手を応援するランチコースは、 鮨つきうだ、天麩羅みやしろで実施されています。要予約となりますので、各店舗にお問い合わせください。