値上げラッシュの春を超え、収まらない物価高。先月には平年の2倍越えの価格も見られたというのが、日々の食卓に欠かせない「野菜」。キャベツやブロッコリーなど、以前とは比べ物にならないほどでキャベツなどは、千円のお値段がついたことも!思わず二度見してしまうような価格になっていますよね。そんな中、昨今言われているのが、野菜の栄養価の低下。高いのに、栄養は少ない・・・そんな状況の中で、今、野菜の取り方の新常識が生まれていると言われています。
今朝は、シリーズ累計45万部のベストセラーとなっている本「完全版 その調理、9割の栄養捨ててます!」の監修をされた東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部の赤石定典先生に事前にお話を伺います。
JK: まずは、この価格高騰の一方で、野菜や果物の栄養価が減っているというのは本当なのでしょうか?
数十年前に遡るんですけれども、品種改良や同じ土壌でたくさんの野菜や果物がとれるようになりましたので、そうするとその土壌から得られる栄養が分散されるわけです。
ということは、その分、多く食べなければならない?
単純にそうなるんですけれども、ただそうしますと、今度はお値段がかかったり、反対にエネルギーを取りすぎて肥満になるリスクもありますので・・・ただその分我々は知恵がついておりますから、賢くとることによって栄養をよりお得にとれるのかな、というところが紹介できればと思います。
先生が監修された本には、調理科学や栄養が取れる食べ方のコツが書かれていますが、食べ方、調理の仕方で変わるものなんですね?
はい、例えばほうれん草とかにんじんとかは、ベータカロテンという緑黄色野菜に含まれる栄養素なんですけども、こちらそのまま食べてしまうと吸収率が1割にも行かないんです。それを油と一緒に摂れば吸収率が3倍にも4倍にも広がります。
では、他にも具体的に、いくつか教えていただきたいのですが・・・
例えば、キャベツなんですが、丸のままというよりは千切りは、理にかなってるんです。キャベツは細かく切れば細かく切るほど消化する能力が上がります。胃もたれとかも防いでくれますし、もっといいのがキャベ千切り細かくしたものと油を一緒にすると消化率の効率が上がりますのでコールスローサラダなどは、食べ方としては一番いいかなという感じです。
他には、どんな調理科学が?
2026年から指定野菜になるブロッコリーですが、野菜の中でも栄養価が高いと言う野菜。この野菜の中で特にスルフォラファンという癌の予防効果があるという抗酸化の働きが高い栄養素を増やす方法が買ってきたらまず細かく切って、一日置いておくという方法。すると12倍ほどそのスルフォラファンが増えます。冷蔵庫には入れず、常温で保存してください。
また、ブロッコリーは茹で図に、蒸すかレンチンで!茹でてしまうと、ビタミンB群ですね、筋肉をつけると言うかタンパク質のより吸収を高めてくれるビタミンB6など、水溶性なのでゆで汁に半分でちゃうんですね。
他にも例えばごぼう。泥を洗ったら皮は剥かない灰汁も抜かない。皮にポリフェノールが多いですし、灰汁の黒い水は、コーヒーと同じ栄養素なんです。あれが内臓脂肪を減らしてくれたりとか脂肪の吸収を抑えてくれるポリフェノールなので、ごぼうはそのまま調理するのがおすすめです。
今朝は、世界文化社から発売中の本「完全版 その調理、9割の栄養捨ててます!」の監修をされた東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部の赤石定典先生にお話を伺いました。この本の中には、野菜だけでなく、肉、魚、調味料などの調理科学のデータが満載。
- ほうれん草は、切ってから洗ってしまうとビタミンCが9割消失してしまう
- ピーマンは縦ぎりで、種も食べる
- 鶏肉は、切り方でビタミンB群が半分に!
- 牛肉のステーキは、厚切りの方が栄養素が2倍近く高い、
- ホタテのオスは肥満防止効果、メスは安眠効果が高まる、
などより効果的な食べ方、ぜひチェックしてみてください。