突然ですが、皆さん、デンタルケア、されていますか?健康寿命にもつながると言われている「歯」の健康。その中でも、実は「国民病」とも呼ばれているのが、「歯周病」。厚生労働省の調査では、日本人の成人のおよそ8割が歯周病患者、もしくは、「予備軍」と言われています。そんな歯周病の治療器として、世界で初めて開発されたのが、東北大発のベンチャーが開発した、「ブルーラジカルP-01」と患者行動変容アプリ「ペリミル」今日はこちらを開発された菅野太郎教授に事前にお話を伺いました。

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JK 歯周病の治療に新たなテクノロジーでアプローチするという、ブルーラジカルP-01とペリミル、こちらを開発されたのが菅野教授ということですが、こちらはどんな治療器なのでしょうか?

菅野太郎教授:通常、歯周病治療は歯と歯ぐきの間に溜まったデンタルプラークというものを除去する、殺菌するわけなんですが、これまでは除去はできるものの、なかなか殺菌ができなかった。そこで、今回新たなテクノロジーとして、ブルーラジカルという新たな殺菌方法を開発してきました。これはデンタルプラークの中に過酸化水素を入れ、そこに光を当てることによって活性酸素を発生させて、99.99%殺菌できると言う方法です。

JK 世界初ということですが、これまでにこの様な治療器はなかったのでしょうか?

菅野太郎教授:これまでの方法では、デンタルプラークの内部をきれいに殺菌することはなかなかできなかったので、本当に新しい殺菌方法が世の中に出てきたというのがまず一つ大切なポイントです。

JK 殺菌がなぜそんなに難しかったのでしょう?

菅野太郎教授:このデンタルプラークというものが非常にクセモノで、歯にとりついて、自分が死なないように防御するんです。でこの防御するのがヌルヌルした膜、専門用語で言うとバイオフィルムと言う膜の状態になってくると、今我々が使っている殺菌剤ではなかなか殺菌ができなかったというものなんです。

JK では、この治療の手順というと?

菅野太郎教授:まずは、歯周ポケットのバイ菌を取り去ることが一つ大切なことなんですが、もう一つ取り去った後の処置が大切で、ばい菌が入らないように徹底的に歯ブラシすることが必要になってきます。この二本立てで歯周病っていうのはコントロールできるので、そのために開発されたのが患者行動変容アプリのペリミル、ということになります。

JK ペリミルによって見られた効果とは?

菅野太郎教授:実際に治験では、およそ12週間、治療後に患者様にご協力いただいて、徹底的な歯ブラシというのが非常に大切だということがわかっています。そこでペリミルは、衛生士さんと患者さんが毎日コミュニケーションできるツールになっていまして、衛生士さんと一緒に12週間かけて、徹底的な歯ブラシを覚えていただくものになっています。

衛生士さんから患者さんへの一方通行ながら、これまでは、患者さんがとにかく歯科医院に来ないと患者さんに大切な情報を渡せなかったことが解消されています。

患者さん同士がペリミルを見て共通の会話ができたり、自分がどのくらい悪いのかを理解できたり、歯周病全体の中で自分がどの位置にいるか知ることができたりしますので、より予防のモチベーションを上げていただきたいというような形になっております

JK 世界初の歯周病治療器「ブルーラジカル P-01」と患者行動変容アプリ「ペリミル」について開発者の東北大学大学院 菅野太郎教授にお話を伺いました。

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痛みもなく、歯周病を新しいアプローチで治療する「ブルーラジカルP-01」導入されている歯医者さんは、インターネットで検索できるようになっています。今後は海外での展開も計画されているそうで、より多くの歯周病の完治に繋がりそうです。