アメリカ料理界のアカデミー賞とも言われる、「ジェームズ・ビアード財団賞」。毎年、全米の優れたレストランやシェフ、レストランオーナーたちに贈られる名誉ある賞ですが、今年、この「新進シェフ賞」に選ばれたのは、一人の日本人女性でした。ワシントンDCにある料理店「Perry's」で「日本のコンフォートフード」、いわば、日本の「家庭の味」「お袋の味」と呼ばれるような家庭料理から着想を得たメニューを提供されている森下昌子さん。
JK: 森下さん、初めまして!今日はありがとうございます。そして、まずは、ジェームズ・ビアード財団賞、受賞おめでとうございます!。「新進シェフ賞」ということですが、受賞のお気持ちは?
森下さん: 事前には実は全然知らなくて、会場で名前をアナウンスされて初めてそこで分かった状況でとにかくびっくりでした。一緒にノミネートされた人たちが結構もう有名な知られてる方たちが多かったので、私自身はお祭り気分で、授賞式の雰囲気を楽しもう!と参加していた感じだったので・・・名前を呼ばれた瞬間には、腰が抜けそうになりました。
JK:今回森下さんのご経歴を拝見して、とにかく驚いたのは、以前はNFLのチアリーダーをされていたそうですね?(NFLワシントンレッドスキンズのチアリーダー)
森下さん:それがきっかけでワシントンDCに引っ越したんですけれども、五年やって、最後の五年目はキャプテンもさせてもらいました。その当時は全くこういう道に進むとは考えてもいなかったので、人生面白いなあと思ってます。
JK:料理の世界に入られたのは何がきっかけだったのでしょうか?
森下さん:アメリカにまだ伝わってない日本の文化を知ってもらいたいという気持ちが以前からあって、よくチームメイトとポットラックパーティーという料理を持ち寄ってみんなでパーティーしたりすることがちょくちょくあったんですけれども、そこに私が食べてるご飯を作って持っていったら、すごい驚かれたんですよ。普段私たちが毎日食べてるような日本の家庭料理ってわからない子が多かったみたいで、こんなの見たことないし食べたこともないし何なのかわからないけど美味しい!って言われて、それでひらめいたんですね。もしかしてお料理が日本の文化を伝える一つとして使えるんじゃないかなと。
JK:そして森下さんが専門とされているのが「日本のコンフォートフード」。こちらどんなものか教えていただけますか?
森下さん:日本のお母さんってすごいお料理アイディアだと思うんですよ、何品も食卓に出てくるじゃないですか。そこに一品一品も何かちょっとこだわりがあったり、っていうお母さんってすごい多いと思うので私はそういう感じの延長線上でお料理をいつも考えています。
JK:おすすめ、代表的な一品というと?
森下さん:いくつかあるんですけれども、自分が一番好きな料理は、「味噌バタークラム」、あさりの一品料理なんですけども、うちの父がご飯にバターをちょっと乗せてお味噌汁をあてに食べるのが好きだったことからヒントをもらっています。あさりをバターと唐辛子とにんにくをちょっと炒めて、お出汁と赤味噌、みりんと酒でとったあのスープで煮込んだ料理です。
JK:今後はどんな料理を手がけたいと考えられていますか?またチャレンジしたいことなどあれば教えてください。
森下さん:今後も料理が大好きなので、本当にこの仕事ができてラッキーだったなと思ってるんです。なので、楽しい料理をあの皆さんに味わってもらいながら、あとは料理をしつつ、できたらアメリカのご自身の家庭で作ってもらえる日本のレシピ本、家庭料理のレシピ本みたいなものが出せたらというのが、遠い未来の目標です。
今朝は、アメリカ料理界のアカデミー賞「ジェームズ・ビアード財団賞「新進シェフ賞」を受賞された、森下昌子さんにお話を伺いました。
森下さんが腕を振うお店、ワシントンDCの「Perry's」では、曜日限定で、和朝食の提供も行っているそうで、こちらも大人気のようです。ラーメン、寿司、とは一味違う、日本の家庭の味。アメリカでも大評判のようです。
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