夏を迎えて、シェイプアップに励んでいらっしゃる方、また、健康のために、コンスタントにエクササイズされていらっしゃる方、皆さん、どんなトレーニングをされていますか?
今日ご紹介するのは、「世界一ラクな筋トレ」と話題の「3秒筋トレ」え?3秒?それも1回で?と驚きのエクササイズなんですが、今日は、こちらの発案者、西九州大学ハビリテーション学部准教授であり、理学療法士の中村雅俊さんにお話を伺います。
中村さんが出されている本が講談社から発売中の「たった3秒筋トレ 世界最短時間で10歳若返る」というもの。筋トレ・・・3秒でいいんですか?たった3秒で飛躍的に筋力アップができるんですか?
トレーニングの工夫さえすれば、3秒で効果が上がることがわかっているんです。従来のトレーニングでは、ダンベルを持ち上げる、とか、スクワットで立ち上がる、など、「上がる」というところに意識するんですが、我々が着目しているのはその反対で、ダンベルであれば、下ろす方、スクワットであれば、しゃがむ方、階段であれば降りる方に集中することで、筋力が飛躍的にアップすることがわかっています。
では、実際に3秒の筋トレ、どんなことをすれば良いのでしょうか?
ニューヨークタイムズにも取り上げていただいた方法は、上腕二頭筋という筋肉、いわゆる力こぶの筋肉ですが、こちらを対象に、ぐっと曲げるのではなく、反対に引っ張られるのに耐えながら、伸ばしていくというもの。例えば、ペットボトルであれば、手に持って肘を曲げるのではなく、伸ばす運動をするというものです。そちらの方が効果が出ることがわかってるので、1日3秒だけでOKというものになります。
それは各部位ということでしょうか?
はい、それぞれ3秒ずつで、全身を足しても1分程度となります。
脚光を浴びたHIIT(High Intensity Interval Training)というトレーニング法がありますが、そちらとは違うんですね?
一番の違いは、HIITのように苦しくない、ということ。HIITは、かなり心拍数も上がって、しんどいのが特徴ですが、3秒筋トレは本当に辛くなく、その研究をやっている実験室まで来るほうが時間がかかるほどになっています。
この本にあるのは、いわゆる自重トレーニングということだと思いますが、人間の一番太い筋肉は、腿。こちらはどうやって鍛えるのでしょうか?
例えば椅子に座っている時に立ち上がる時ではなく、「座る」ということを意識的にやるという方法です。1日に何度もある「座る」という動作の中で、ゆっくり、1、2、3と数える感じで座るだけで効果があるわけです。
こちらは年齢によって反応が違うと思いますが、どんなフィードバックが?
20代で運動している方には物足りないエクササイズですが、40代~50代、研究対象には、最高齢は90代の方もいらっしゃるので、このエクササイズを続けて、どんどん歩けるようになったりという方もいらっしゃいます。運動の最初のステップとして非常に効果的です。有酸素運動では筋力アップできないので、この運動で、筋力アップを狙って、同じ運動をしてもしんどくない状態、自分の足で好きなところに行って、好きなものを食べられるような人生を送るためのエクササイズを考えています。
今日は、「世界一ラクな筋トレ」と話題の「3秒筋トレ」の発案者、西九州大学ハビリテーション学部准教授であり、理学療法士の中村雅俊さんに事前にお話を伺った模様をお届けしました。3秒筋トレについての論文は、ニューヨーク・タイムズにも取り上げられ、 また、ストレッチに関する論文数では、世界ランキング1位という中村先生。人生100年時代と言われますが、人の筋力は、30代から年1%、50代に入ると2%ずつ減っているそう。足腰の健康が、健康寿命につながる、ということで、簡単にできる筋トレ、いかがでしょうか?「たった3秒筋トレ 世界最短時間で10歳若返る」は、講談社から発売中です。