現在は、パリ・パラリンピック開催中!今日も車いすテニスなど、注目の競技がありますが、この夏は、オリンピックと共に、大いに盛り上がりったスポーツ界。その舞台裏では、様々な努力が行われていたわけですよね。その一つが、食事。アスリートのパフォーマンスに大きく影響する食事について、スポーツ栄養士の吉谷佳代さんにお話を伺います。
吉谷さんは、プロ野球・阪神タイガースの専属栄養アドバイザーで、昨年の38年ぶりの日本一に大きく貢献。さらに、女子バレーボールのJT、男子バレーボールのパナソニックも担当されて、優勝請負人とも言われている方。そして、今回は、パリオリンピックの男子バレーボール代表チームに帯同されていたそうですね!
*オリンピックでの食事管理、それはそれは大変なお仕事だと伺っていますが・・・
オリンピックの食事というのは、海外になると、美味しいお米が食べられないっていう課題がありまして、やはり私達日本人はお米が中心で食事を作っている部分があるのでそのお米が食べられないってなると栄養不足で、パワーが出てこないんですね。で、私の方でそのお米を日本から持ち込んで選手たちに提供するというようなことを中心にやっていました。具体的には炊飯器も持っていって、お米を炊いて、朝食なんかはそのままタッパーに入れて提供したり、試合の前になるとおにぎりを5、 60個ぐらい作って選手にお届けするっていうような感じにやっておりました。
*パリは食料が足りない、お肉が足りない、なんて報道も出ていましたが、いかがでしたか?
本当に、足りない日もあったんですけれども、まずはその食材が足りない以上に選手村のダイニングがすごく広くて、それであの全部を回るっていうのがまあまず不可能ですし、あのすべての選手がそこに集るのでもう行列がすごくてでやはりその自分が食べる前に疲れてしまう、選ぶのに疲れてしまうっていうようなことが私は一番の課題だったんじゃないかなと思います
*今回は男子バレーボールでしたが、吉谷さんはプロ野球、女子バレーボールなどでも管理栄養士を担当されているんですよね?
やはり、競技によって、食事の内容もかなり変わるものなのでしょうか?同じスポーツ選手なので基本的にはあの考え方は一緒なんですけれども、あのバレーボールっていうのはやはりジャンプをすごくしなければいけないスポーツで、試合の中でもご覧になって分かるかと思いますが、運動の動きがすごく激しいので、やはりその体重の管理とか体脂肪も気にしながら食事をとっていくっていうのが一つの目的になるんですね、一方でプロ野球の場合はそこまで動き的には激しくないもののやはり試合が長時間にわたるということとあとは何より毎日試合がシーズン中はありますので、その疲れをどうやって取っていくかっていうことがもうすごく重要なポイントになってきます。
*今回、吉谷さんが出された本が、自宅で勝ち飯が作れるというレシピ本『阪神タイガース認定レシピ集 トラめし 強い体、疲れない体をつくる!』こちらはタイガースの選手たちに実際に提供されていたレシピなんですね?
実際にシーズン中ですとかあとはキャンプの時なんかにホテルさんとか寮で提供していただいているようなメニューの一部になります。
*やはり食事でパフォーマンスに変化は出るものですか?(野手、投手、捕手とポジションでも食事が違う?)
一日のスケジュールがポジションによって全然違いますので、特に野手なんかは時間がない、一日の中で本当に時間がないようなイメージがあって食事の一食にあんまり時間がかけられなかったりとかするんですね。なのでこまめに栄養補給をされるというようなことがポイントになります。スポーツ選手皆さん判断力必要なんですけれどもまあ特に本当に頭をずっと使わなければいけないのが捕手の方っていうところで、やはり脳の回転っていうのもまあ重要になってきます。その場合は、オメガスリーという脂肪酸と言ってまあ油の構造になるんですが、それが脳の活性化するというふうに言われているので、それってあの魚とかにたくさん含まれる成分なんですけれどもでそのお肉ばっかり偏ってしまうとやはり体の中で不足してきて脳の活性化がちょっと落ちてきてしまうのでなるべくこう魚を料理を毎食ちょっとでも入れるようにあの選手に伝えています。
*アスリートの食事というと、筋肉をつける、パフォーマンスを上げる、ということばかり頭に浮かびますが、どんな種類のメニューを用意されているのでしょうか?
パフォーマンスを上げるっていうとあのまずはあのベースになるのがお米しっかり食べていただきたいということがあるのでお米に合うようなメニューあるいはお米と一緒に食べられるようなメニューというものを提供するようにしています。一例としてこれ選手もすごく皆さん好きなんですけど牛丼をクラブハウスとか寮でもよく出すんですが人気ランキングでも上位に入るメニューでそれをまあ少し香ばしくしたような焼き牛丼っていうものをレシピの中に入れてるんですけれどもあのそれを結構食べるとパワーが出るということで、よく召し上がっていただいています
*最強の勝ちメシというと??
豚キムチっていうメニューがありまして、本当に皆さんお好きででやはりこう食欲も増進する匂いですし、お米もしっかりと食べられるか厳しいということで最強の勝ち飯で選ばせていただきました.
吉谷さんの本、『阪神タイガース認定レシピ集 トラめし 強い体、疲れない体をつくる!』は講談社から発売中です。
こちら、メイン、副菜、前菜と色々なレシピが乗っているのでその日のコンディションに合わせて、組み合わせるのも良いそうです。皆さんのご家庭でそれぞれの「勝ちメシ」セット、作ってみるのもいいかもしれません。