今月初め、スペインを代表するフラメンコ・コンクールの舞踊部門で、初めての外国人優勝者が誕生したというニュースが伝えられました。まさに魂の叫びともいわれるフラメンコの世界で、情熱ほと走る踊りを披露され、見事、優勝された、萩原淳子さん。「ラ・ジュンコ」のお名前でも活動されている萩原さんにお話を伺いました。
淳子さん、どうぞよろしくお願いします!まずは、優勝おめでとうございます。順子さんが優勝された「カンテ・デ・ラス・ミナス」これはどんな大会なのでしょうか?
「ラス・ミナス」は、もともとスペイン語で炭鉱の歌という意味で、スペインの南部のアンダルシア州にウニオンという小さな町があるんですけれども、そこが昔炭鉱の町でして、そこが発祥と言われています。炭鉱夫たちが仕事のつらさなどを紛らわすために歌ったものが、歌い継がれ、やがて、歴史の流れの中でその鉱山がしまって、歌い手たちも年取って、これから先どうしていくかと言うことで、コンクールが行われることになったと言うものです。
コンクールの舞踊部門は、どんな形で審査が行われるんですか?
曲は、タラントという踊りの曲がありまして、準決勝ですとそのタラントは、一曲は必須です。でさらに、ほかのフラメンコの自由な曲を準決勝で二曲踊ります。でその後、決勝は準決勝では踊られなかった別の曲を一曲踊るということになります。
振り付けは、他の人に振り付けてもらう人もいますが、私は自分で振り付けもやりました。
この大会で外国人が優勝するのは初めてだそうですが、自分の名前が読み上げられた時の感想は?
喜びよりもあの頭が真っ白になってしまったっていうか、不思議な感覚なんですが、自分の名前が呼ばれたっていうのはわかってるんですが、その状況が本当に理解できてないというか・・・体も硬直しちゃって、表彰式の場所まで歩いて行くのもなんかヨタヨタみたいな感じで・・・
評論家が、淳子さんが優勝した理由が三つあると評していて、一つが古典を重んじていること、2つ目観客に媚びずに踊る姿勢、そして3つ目が鍛錬を積んでいることと言われていますが・・・
古典という言葉よりも私からするとまあ伝統という言葉の方がぴったりするんですけれども、やはり外国人である自分としてはその最初のところから学びたいっていうのがあるので、すごく伝統を大切にして学んで自分の踊りも伝統的だと思います。
淳子さんは中学生の時にフラメンコギターの音色に魅了されて・・・そこからフラメンコ発祥の地セビリアに移住されて20年以上だそうですが、その魅力は?
フラメンコはスペインの南のアンダルシア地方の文化でありその土地の人たちの生き方というか、家族がずっと代々伝わっていくもの。そう考えると非常に狭いものでもあるんですが、何故か世界中の人たちの心を虜にするというか・・・私もなんでだか分からないんですが...何かがあってやっぱり引き込まれてしまったというか。今も探しています。
*優勝されて、これからの更なる目標とは?
ずっと踊り続けるっていうことですかね、とにかくフラメンコの魅力をどんどん皆さんに知っていただきたいということと、あと今回特に思ったのが外国人として初めて舞踊部門で優勝したということで、本当にあのいろんな国の方からあのメッセージをいただいて、外国人がフラメンコを学ぶっていうところですごくやっぱり壁を感じている人がすごくたくさんあのいると思うので、私が優勝したっていうことが一つの道になって、自分が踊り続けていくことによってどんどん若い世代の人たちも成長できるようなそういう場っていうのも自分が少し道を少しずつ広げていくこともできるんじゃないかなと思っています。