今朝は、来週、1018日に公開となる映画「まつりのあとのあとのまつり『まぜこぜ一座殺人事件』」の企画・構成、プロデュースを担当された、俳優の東ちづるさんにオンラインでお話を伺います。

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2012年に、様々な特性を持った人たちが活躍できる「まぜこぜの社会」をめざして、一般社団法人Get in touchを立ち上げた東ちづるさん。2017 年にエンターテイメント集団「まぜこぜ一座」を立ち上げ、公演を重ねて来られたそうなんですが、今回は、さらに多くの人たちへの問いかけとして映画を作られた、ということで、詳しくお話を伺いました。

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*東さんが手がけられた映画「まつりのあとのあとのまつり『まぜこぜ一座殺人事件』」、一足早く、拝見させていただきました。

様々な出演者の方々が織りなす、コメディ・サスペンス、と思いきや随所にたくさんのメッセージが込められた映画。特性あるプロのパフォーマー集団、まぜこぜ一座による舞台「歌雪姫と七人のこびとーず」終演後、座長の東ちづるの楽屋から聞こえた悲鳴。座員たちが駆けつけると、そこには息絶えた東の姿。エレベーターも携帯も使えない空間に囚われたメンバーたち。犯人は誰なのか・・・というストーリーですが、様々な特性の方が出演されていますね。

例えば義足の方、車椅子ユーザーの方、全盲の方、ダウン症の方やドラッグクイーン、トランスジェンダー、低身長の方など。この作品のキャッチコピーは、「美しい言葉も忖度も不要!見せかけのヒューマニズムなどクソくらえ!あなたの常識や価値観にガツンと一発お見舞いする、まぜこぜエンターテイメント!」この映画を作ることになったきっかけは?

2017年からこういうことを言っているんですが、今、社会ではSDG'sとか多様性とか、共に生きる、といった言葉に溢れているんですが、現実はなかなかやっぱりまだ厳しいんです。これじゃ見せかけだけだよね、とモヤモヤしていて・・・私が代表を務めている団体get in touchで公演をしても、たくさん取材していただくんですが、なかなか放送されないという・・・「それはなぜ?」と伺っても、ふんわりとした答えしか返ってこない・・・謎のままなんです。そのモヤモヤを映画にしたという。

*本当に様々な特性のある出演者の皆さん、それぞれの想いがセリフに込められた形なのでしょうか?

まず、テレビのプロデューサー、プロダクションの社長、広告代理店の偉い人という登場人物3人のセリフは、実際に私が言われた言葉なんです。なぜマイノリティパフォーマーを起用してくれないの?と聞くと、返ってくる答え。そして、マイノリティパフォーマーたちのセリフもほぼ私が体験していることを紡いでいったんですね、でそれをエスメラルダさんというシナリオライターが、面白く書いてくれたんですよ!

*撮影現場はどんな状況でしたか?

こんなにマイノリティが集まってる現場ってないから、技術の皆さんが最初は遠慮なさっていたんですよ、どういう風に話しかけていいのかなとか。ところが日を重ねていくうちに、最終日はもう普通に撮影現場でした。みんな仲良くなって、本当にそれが伝わってくる内容になっています。

*そのスタッフの皆さんが戸惑うところ・・・例えば、忖度だったり・・・こういったものを超えるためには何が必要なんでしょうね?

もう、シンプルに「慣れること」です。私も最初は、義足の人に早くとか言っていいのかな?とか、色々あったんですよ、けれども一緒に居るとわかってくるんです、「義足の人」ではなく、この人は「森田かずよさん」なんだなって。個人であるって。特性だって、私だって忘れっぽいとか落とし物が激しいとか、いろいろあるし、だんだん、「東ちづるはこういう人」ってわかってもらってくるんですよね。それと一緒で慣れることです。で、慣れるためには社会に、町に、普通にマイノリティの皆さんがいらっしゃることですよ、学校でも、職場でも、メディアでもね、そのための手段としてエンターテイメントで撮ってみました。

*この作品や団体を通して、東さんが目指すところ、目標にされていること、は?

まぜこぜの社会はすべての人にとって居心地が良いんです。マイノリティのためではないんですよ。自分のためなんです。私たちだって高齢になるし、いつかは患者になるかもしれないし、障害という特性があるようになるかも知れないんですよね。でどんな状態どんな状況になっても自分らしく自由に生きられる社会になったら、私たちは解散をいたします。でも、説教くさいことはしたくないので、とにかくこの映画で迷ったら笑ってください、笑って終わって、もうシンプルに気づいて驚いてちょっとグッときて・・・で、最後には、モヤモヤしてください。お土産は「モヤモヤ」です。

今朝は、来週、10月18日に公開となる映画「まつりのあとのあとのまつり『まぜこぜ一座殺人事件』」の企画・構成、プロデュースを担当された、俳優の東ちづるさんにオンラインでお話を伺いました。

こちらは、ヒューマントラストシネマ渋谷、キネカ大森ほかにて順次全国公開となります。ぜひ劇場へ足を運んでみてください。