2018年のSXSWでワールドプレミア上映され、一躍話題となったフィンランドの映画が、「ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!」・・・皆さん、覚えていらっしゃいますでしょうか? この番組でも取り上げさせていただきました!

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フィンランドの田舎で冴えないバンド活動をしていた4人の若者が、偶然掴んだチャンスをきっかけに、ノルウェーで開かれる巨大メタルフェス出演を目指して繰り広げるドタバタ珍道中、というストーリーだったんですが、あの4人組がまた帰ってくる!!実は、続編が作られ、日本でも今日から公開となるんです。

   『ヘヴィ・トリップⅡ / 俺たち北欧メタル危機一髪!』

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今日は、監督、脚本を手がけた、ユーソ・ラーティオさん、そして、トゥロ役のヨハンネス・ホロパイネンさんにお話を伺います。

JK : まずは、監督のユーソさんに、今回の続編実現について、伺いました。

今でも夢じゃないかって自分をつねってしまうくらい、まるで夢のようです。この映画がフィンランドを越えて世界に広がるなんて、想像もしていませんでした。そして、日本でこんなにも大きな反響があるというのは、本当に嬉しいことです。本当に、正直、これほどまでに大きな話題になるなんて、夢にも思いませんでした。ですが、第一弾で、世界中でファン層が確立されたということで、続編の制作も可能だという話になったんです。私たちは最初、信じられなかったのですが、プロデューサーの言葉を信じました。フィンランド、いや世界中どこでも映画を作るのは本当に大変なことです。それだけに、続編の制作が実現できたことは本当に大きな成果です。

そして、主演のヨハンネスさんもこんな風に話してくれました。

「本当に夢のようです。映画が多くの人に愛され、ファンの皆さんから素晴らしいメッセージを受け取ったこと、さらにはキャラクターの衣装を着て映画を観に来てくれる方もいると聞きました。5年以上待ち続けて、ようやくこうして日本に来ることができて、言葉では言い表せないほどの喜びです。」

「脚本を書いている時点で、物語の始まりが刑務所だということは決まっていました。また、早い段階でドイツとの合作になるとわかっていたので、バンドがドイツの地へ行くという展開も決まっていました。そういった初期の詳細はあったものの、刑務所映画や脱獄映画は数多く存在するため、『どうやって新しい方法で脱獄させるか』というのが大きな挑戦でした。結果的には、彼らが脱獄するシーンは少し奇妙で、予想よりも簡単に見えるかもしれませんね(笑)」。

そして、この映画の裏テーマとでも言えるのが、音楽ビジネスへのアンチテーゼ。こちらについては、監督はどう考えているんでしょうか?

「私たちは映画製作者として音楽業界の経験はあまりありませんが、映画で描かれているのはおそらく多くのエンターテイメントシーンでの現実だと思います。実際には私たち自身の映画業界での経験がこのアイデアのもとになっているんです。映画業界でも『商業化と芸術性』のバランスを取るのは難しい問題です。」

そして、ちょっとネタバレになってしまうんですが、この映画に日本から、Baby Metalも出演しているんです。これはどうやって実現したんでしょうか?

実は映画の脚本を書き始める前から、BABYMETALのファンだったんです。

物語の中で『居心地の悪い』存在を作り出す必要があって、それは、メタル界の中で物議を醸すようなバンド、意見が分かれるようなバンドということで、BABYMETALはまさにその完璧な例だと思いました。BABYMETALは、人によって『嫌い』と言う人もいれば、『好き』と言う人もいて、伝統的な"真のメタルヘッズ"は聴きたがらないような印象があるんです。

だからこそ、BABYMETALを登場させることがベストだと考えました。

当初は俳優を雇い、架空のバンドを作り上げるつもりで脚本を書いていましたが私たちのプロデューサーがBABYMETALのマネジメントと連絡を取ることができたんです。BABYMETALのプロデューサーである小林啓さんは1作目の映画を日本で観てくれていたので、プロジェクトの概要も理解してくれていて、話がスムーズに進みました。最終的にBABYMETALが映画に出演することになり、彼女たちの年末のわずか3日間、2つのツアーの合間を縫って撮影に参加してもらいました。きっと彼女たちにとって数少ないオフの時間を奪ってしまったんじゃないかと申し訳ない気持ちでした。

そんな、監督のメタル愛がたくさん詰まったこの映画、なんといっても皆さんが楽しんで撮影されたことが伝わってくるんですよね~撮影の裏側は、どんなだったか、お二人に伺いました。

まず、主演のヨハンネスさんは、

1作目の撮影を通じて、皆、とても仲良くなったので、友達と映画を作り上げる感覚でした。ですので、2作目でも、素晴らしい俳優や友人たちと撮影するのは、最高の体験でした。映画に映っているのは、友情や一緒に何かを作る喜びそのものです。そしてこうして東京にいることも、その友情が作りあげてくれた冒険の続きだと思ってます。

また、監督たちの影響もすごく大きかった。とても寛大で、俳優たちが自分の創造的エネルギーを発揮して、楽しめる場を作ってくれたんです。そんな楽しさや映画制作の喜びが、観客にも伝わっているのだと思います。

とのこと。では、最後にこの映画の見どころについて、そしてさらに続編は考えているのか、伺いました。

「この映画は、単なるメタル映画ではなく、友達との冒険をテーマにした普遍的な物語です。そして、自然にヘビーメタルの音楽も楽しめるはずです」

というのは、ヨハンネスさん。そして、監督は、

個人的にも、この作品は夢のような仕事でした。ある意味、僕の個人的な趣味や人生を詰め込んだようなものですから。プロデューサーとのやり取りや予算の問題など、ストレスもありましたが、夢が叶った作品。実は、日本で続編の一部を撮影したいと考えてるんです。

とお話くださいました。

監督のユーソ・ラーティオさん、そして、トゥロ役のヨハンネス・ホロパイネンさん、ありがとうございました。

今日から公開となる映画「ヘヴィ・トリップII /俺たち北欧メタル危機一髪!」の

監督、脚本を手がけた、ユーソ・ラーティオさん、

トゥロ役のヨハンネス・ホロパイネンさんをお迎えした模様をお届けしました。一ヶ月に渡って、キャスト・スタッフが共同生活を送りながら撮影したというこの作品、メタル好きでなくても楽しめますよ!

こちらは、今日からシネマート新宿ほかで公開となります。ぜひ劇場で、楽しんでください